【14話】麻雀と俺【まだ人間?】
ーまた少し昔の話
前に話した通り、麻雀に関してちゃんとルールを覚えたのは、世の中の打ち手に比べるとやや遅い19歳くらいの頃だった。
当時はパチスロ仲間の先輩に誘われてピンのセット(1000点100円の貸し卓で行う麻雀)でしこたまカモられた。
地元のA市にはフリー(一人で遊びに行ける雀荘)はピンしか当時無かったので、負けず嫌いの俺は自分が100円で打てる実力では無いと悟り、一人でJRに乗って、都心である今住むS市の繁華街に1000点20円の麻雀をよくコソ錬しに来ていた。
1万円あれば1日中麻雀が打てるし、いつもセットで弱い弱いと馬鹿にされてばかりだったので、自分の事を知らない人と打つのが楽しかった
(今思えば恥ずかしい、、、)
※この時は相当な回数を打ちこんだのだが、正直ただ回数を無為に重ねる麻雀は、上達には全く意味は無いと思う。
また、とにかく戦術本みたいのを読み漁った。
最初に読んだのはこの本、井出陽介の「麻雀入門」と、小島武夫の「絶対に負けない麻雀」
※故人を馬鹿にするつもりは無いがこれらの本は取り敢えずオススメしない
当時は麻雀のセオリーも殆ど発達していなかったので、基本的には「勝ち組のアドバイスを聞く」という以外に上達する方法は無かったのだが、ネット麻雀の台頭により、「デジタル麻雀」というのが世に流行した。
↑有名なのがこの本、とつげき東北の「科学する麻雀」
これで世の中の麻雀力が大きく進歩したとも言われている。
手配進行やリーチ判断等、これを読んで内容を丸暗記すれば、まぁそんなに悪い事にはならないだろう。
数年が経ち、
「カンチャンドラ1はとりあえずリーチっしょ」
数字には比較的強かった俺は、↑のような脳死のデジタル麻雀(今思えば勘違いデジタル麻雀)で身内メンバーではそこそこ勝ち越せるようになった時、前話で話したMと出会った。
実際に雀荘で店長もこなすMは確かに強かった。
やはり負けず嫌いの俺は彼にセットを何度も挑み、たまには勝つが、何度も負けた。(ちなみにその時Mの紹介で塾講師のYとも出会った)
セットが終わると居酒屋で感想戦。
シチュエーションや牌姿、点数状況をかなり記憶できるくらいに脳は鍛えられていたので、具体的なアドバイスを受ける事ができた。
この時、麻雀で人のレベルを図る時にパチスロ「北斗の拳」に例えて、オーラの色でよく表していた。
直接対決で数百半荘はこなしただろうか。
M曰く、俺の評価は限りなく赤に近い(でも絶対に赤になれない)緑オーラという結論だった。
白→完全なる雑魚
青→強い手が何度か入っている時でも勝てない時がある人
黄色→強い手が何度か入っていれば勝てる人
緑→黄色以下に対して確実にアドバンテージを取れる人
赤→緑3人相手で手玉に取れる人
レインボー→魔界の住人
どうやらピンのフリーにいる殆どの人間は白~黄色らしい。
ちなみに補足するけど赤が白に負ける日もある。
所詮運8割とか言われているゲームだ。
そして酒を飲みながら居酒屋のペーパーナプキンによくレーダーチャートを書いて遊んでいた。俺の評価は確かこんな感じだった
まぁ合点がいった。
当時は聴牌最速を目標に掲げていたので、同じ配牌と自摸なら誰よりも早く手を組める自身はあった。
先制さえ取っている間は相手の手を読む必要は無いので、読みを手牌進行に取り入れた事は無かった。
また最速が故の打点効率や最終形から攻撃力はそこまで高くないだろう。
逆に先制を取られた時は相当形の良いシャンテン形以外はほぼ完全にオリるので守備力はソコソコだろう。
Mのアドバイスは殆どが状況判断によるものだった。
あまりコイツを誉めたくないが、とにかく知識のアウトプットが上手いので、かなり勉強になった。
ピンフのみの1000点、本にはリーチと書いているし理由も書いてある。
ドラ1の役無しペンチャン待ち、これもリーチだ、当然だ。
でも、それをダマにするべき時も(たまーに)あるって事を勉強し、実践し、実績がしっかりついてきてから麻雀がより楽しくなり、更に幅が広がった。
役無しダマプッシュ
役牌は仕掛けない役牌バック
後後付け
ブラフ仕掛け
他家を楽にさせない河作り
2列目形テン
これらはデジタルの「デ」の字も無いが、実際にやっているのを見て、実際に結果を残されると、効果を信じるしか無かった。
という、Mとの出会いの話はキリが無いのでこの辺で、
一応認めたくは無いが、俺の麻雀の師匠とも言える奴だ。
とにかく麻雀という不完全情報ゲームにも関わらず、Mは強さが分かりやすかった。
しかし、俺が麻雀を語る上で外せないもう一人の人物、
ピンフ赤ドラ3900点を、状況フラットでリーチしない男、
「ハンツ=半ツッパ」という麻雀用語を作った男、
そして何より、Mが自分より強いと認める男、
過去にインターネット麻雀「東風荘」にて、「R団」と呼ばれる日本最強と言われるチームを率いたリーダーで、現在の俺の相棒でもある「T」の話は後に取って置く事にしよう。
-続く-
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