<タクシー会社の売上データを見て考えたこと>

こんにちは。会計士の青山です。

<タクシー会社のデータ>
 昨日は顧問先のタクシー会社を訪問してきました。売上状況をExcelで月別・曜日別とみていて、社長に「火曜日が売上が少ないようですね」と私が言ったところ、社長は「うちは腕が良い奴が出社するかしないかで日々の売上は全然違うんですよ。だから曜日別でなんとかは言えない」と答えてきました。

 この言葉の真偽は後にしてここで私が感じたことや考えたことを書いてみます。
(1)小売業とサービス業の違い
 小売業は一般に有形のモノを販売するのに対して、タクシー会社は人が提供する無形のサービスであること。そのため、サービス業は人によってその稼ぎ出す力が均等ではないこと。
 よって、サービス業の売上を増やすには稼ぐ人を雇用する他に、雇用した人の稼ぐ力を増やすための施策(教育研修、評価、職場環境の整備等)が必要であること。

(2)稼ぐ人の稼ぐ力とは
 タクシー乗務員の稼ぐ力とは並べてみますと、乗車機会が多い場所、時間帯、道路の交雑状況の理解、無線の利用度といった顧客を乗車するまでの知識・スキルと、乗車してからの丁寧な運転、清潔な身だしなみとという顧客を乗車してからの接客に分かれるのかと思いました。
 そのうち、後者の方が通常はあまりにひどいということはないと考えれば前者の方が重要であり、かつ、前者の方は教育研修によってスキルアップは可能ではないかということ。

(3)タクシー会社の場合のデータ分析について
 タクシー乗車の場合は1乗車が1000円と均一なわけではなく、近場であれば700円、遠距離がでれば1万円を超します。
 そのため、日別・曜日別に売上高のトレンドを見ようとした場合、こうした遠距離がでるかでないかでその数値は大きく影響されてしまう。だから、まず日別・曜日別でトレンドをみて、日別・曜日別で特徴があると判断したら、運転日報から個別の乗車記録を追うことが大事となります。

 それで、最初に書きました社長は「うちは腕が良い奴が出社するかしないかで日々の売上は全然違うんですよ。だから曜日別でなんとかは言えない」という言葉ですが、これは違うと考えます。
 つまり、分析の日数を増やせば「大数の法則」ではないですが、腕の良い人もそうでな人もまんべんなくすべての曜日に乗車するからです。

(4)最後に:曜日別のExcelピボットテーブル表を添付
 この表は会計ソフトから売上総勘定元帳をExcelにアウトプット ⇒曜日を不可 ⇒ピボットテーブルでスライサーを曜日にして、グラフを付けたという誰でも簡単にできる表です。スライサーで曜日を選択すれば月ごとの売上高やグラフの形状が変わります。

 個別の乗車記録まで見る場合には、運転日報データのExcelへのアウトプットが必要なのですが自社ではできませんので、今回はパスしています。

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