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【通称は】Valle Training Glove イーグル・KK【パンケーキ】

著:原島(監督) 編:梅村(部長)

皆様こんにちは。

 今年度から部長の命令提案でスタートしたnoteですが、だいぶ慣れてきました。本題から逸れた話をできるくらいは余裕が出てきており、僕も書くのが楽しみになってきたぐらいです。

 いつも執筆は僕と部長で分担しているのですが、編集は部長に一任しています。なので、誤字脱字や表現がおかしいところを訂正してくれているのは部長なのです。僕(監督)の教科は国語なんですけどね。国語の教員が書いたミスを理科の教員が訂正するというよくわからない現象が起きています。Twitterでの誤字もひどいです。字も間違えるし英語も読めないしどうなってんだ。

 そんな日本語不自由な監督が書くnoteです。優しくお付き合いください。

 今回から「Valle Training Glove」というトレーニンググラブについてのシリーズを書いていきます。なかなか面白い形状をしたグラブですので、ぜひともご興味を持っていただければと思います。

 それでは今回もよろしくお願いいたします。

1.Valle Training Gloveとは


 名前からなんとなく想像がつくところですが、海外の会社の製品です。HPはこちらからどうぞ。英語だらけです。

 日本でのミズノやZETTとは異なり、トレーニンググラブ専門のような会社なのでMLBの中継で映り込むことはありません。もちろん高校野球の大会で使うことはできません。HPを見ていただければ分かりますが、何種類もトレーニンググラブがあります。しかも監督が苦手な英語がたくさんです。

 そこで、英語苦手な方におススメなのがレジ―スミスベースボールジャパン様(以下レジ―スミス)のサイトです。レジースミスのHPを見ると、様々なグローブの説明が日本語で書いてあります(当たり前)。

今回はそのうちの一つであるイーグルKKについてお話をいたします。

イーグルKKはこのような道具です。


パンケーキは正確には別の商品名なんですね(部長)


※写真はレジースミス・ベースボール:ジャパン様のサイトより

 平らなグラブかと思ったらグニャグニャに柔らかいです。つまり、握ってボールを捕ることができるのですが、こんな形状をしたグラブで練習になるのでしょうか?という疑問を払拭してくれるかのように、NPBではロッテが、MLBではサンフランシスコ・ジャイアンツが特に使用しています。動画もございますのでぜひともご覧ください。

ロッテは戦術面でも積極的に新しいものを取り入れる球団というイメージありますね(部長)

 ジャイアンツでValle Training Glove を用いて指導しているのは、Kai Correaという方です。冒頭のHPにも動画で出演しています(2023年5月現在)。この方のInstagramもあるのでご覧ください。

Kai Correa氏は元MLBや元AAAなどのプロ経験者というわけでは無く、大学卒業後にコーチやコーディネーターとして野球に携わられたそうです。日本は元プロがコーチになる風潮(慣習)がありますが、アメリカではCorrea氏のような経歴をしているコーチに指導を依頼するのが普通のようですね。そういえば、2023WBCでもソフトバンク所属の甲斐選手がアマチュアの方にフレーミングを師事したそうです。記事はこちら。これからNPBにもアマチュアの指導者を活用していく流れができていくのでしょうか。

 さて、次章からイーグルKKの話をしていきますが、これ以降は「パンケーキ」と呼びます🥞。何でそんな名前に…というところですが、このように平らな形状をしたグラブをパンケーキ型グラブと呼ぶらしいですね。そこから来た愛称ですので、本校でもパンケーキと呼んでいます。

(部長より)プロウト、という表現は個人的にあまり好ましくないなと思うことがあります。プロのような素人だからプロウト、というのが語源ですが、それでお金をもらっている時点ですでにプロですからね。他称であれば「所詮素人だから」という見下しが入っているように感じますし、自称であれば「素人だから失敗してもいいでしょ」みたいなズルさが入っているように感じます。どちらにせよあまりいいことではないな……と。

2.パンケーキを使ってみよう


 そんなパンケーキですが、こんな薄っぺらいグラブでノックを受けるわけにもいきませんし、キャッチボールもしにくそうに見えます。実際にはどのように使えばよいのでしょうか。

 まずはレジースミスのHPから説明を引用しましょう。

イーグル・KKの特徴
①片手で捕球が可能・・・従来のパンケーキグラブ型のトレーニング・グラブとは異なり、革が柔らかく人間の自然な手の角度に合わせた形状で作られていることで、手首を固定されずに、柔らかなソフトハンドで捕球することができるようになります。
②キル・スポットの習得:ボールの勢いを止めるポケット部分が非常に小さくなっていることで親指と人差指のところでボールの勢いを殺してグラブの中でボールを遊ばせないテクニックを習得できます。それによってトランスファー<持ち替えが>早くなります。

https://www.rhktrading.com/product/ekk/


この商品を使う理由は「ボールをキルスポットで捕る感覚」を養うことです。ここでのキルスポットとはボールを捕る手の場所。おおよそ下の写真の赤円の部分です。


 本校では以下の動画のように練習で使っています。

 この動画はジャイアンツの動画にありますが、初歩で行う練習です。

 慣れてくると、立って捕球態勢を取りながら捕球する練習もやります。本校ではノックをする前の守備基礎練習として体系立てて取り組んでいます。

具体的に、本校で取り組んでいるメニューです。

① 立膝になって正面・シングル・逆シングルで捕る
② 捕球姿勢になって正面・シングル・逆シングルで捕る
③ 5mほど離れて緩めのノック
④ 10mほど離れてノック
⑤ 守備位置についてノック

 全体を通して、バウンドを見ることを徹底しています。①②はバウンドに合わせてグラブを出すことが目的なので、ハンドリングの練習。③④⑤はバウンドを見て捕球できるように動くという動作が加わります。

 つまり、守備位置についてのノックは守備基礎練習の延長にあるという考え方です。さらにレベルが上がると送球も含めた動きになるので、握り替えや足の運びも要素として加わってきます。

3.パンケーキの効果とこれからの課題


 前の項ではパンケーキの使い方について説明しました。では、パンケーキを使うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。本校で感じている効果は以下のとおりです。

① グラブの芯で捕る意識が選手に芽生えた
② バウンドが合わないときにぎりぎりで前に出て捕れるようになった
③ ハーフバウンドを捕れるようになった

 このうち、①が特に大きいです。これまではグラブの先っぽで捕っていることを指摘しても、子供たちは「あ、そうですか」みたいな感じでした。(本校の意識が低いと言われればそこまでですが…)

 しかし、イーグルKKを使ったところ、手で捕るというかグラブの芯で捕れるとボールを捕りこぼさないということが分かったようです。さらに、ノックで捕球できても捕球した場所がおかしいと頭をかしげるようになったのです。

 これには驚きました。捕る技術が多少マシ良くなるだろうなとは思っていたのですが、子供たちの感覚や意識に影響を及ぼすとは思ってもいませんでした。この意識が染みつけば、「捕った」という結果に満足することがなくなるので、ノックの質がかなり良くなるでしょう。

 ②・③は技術的な話です。これに関してはこちらの動画を見ていただいた方が理解しやすいかと思います。

 この動画の2:00からコーチが何回も「On time」というワードを使って指導しています。「On time」とは直訳すると「時間通りに」という意味ですが、ここではボールがグラウンドについた瞬間です。その瞬間にグラブを出せということですね。

 この概念をパンケーキで練習した結果、②③が身につくようになりました。バウンドが合わないと思ったらバウンドする瞬間に合わせてグラブを出せるようになったため、ハーフバウンドなどが捕れるようになったのだと思います。

パンケーキだけでは習得できないこと

 このように、いいこと尽くしのパンケーキですが、これだけで守備がうまくなるというわけではありません。

 パンケーキは、速い打球を捕ることにはあまり向いていないのです。

 中の緩衝材があまり入っていないので手投げか3m程度の打球を捕ることが限界です。10m離れた打球を捕ろうとすると、キルスポットから外れた時に痛みを感じます。

 結果として、パンケーキでは実践的な練習はできないというわけです。このまま普段使っているグラブに行ってもよいのですが、パンケーキと普通のグラブでは感覚があまりにも違いすぎるので何かワンクッション入れたいです。……でもそんなグラブがあるわけが……?

 あるんですね。

 というわけで次回はパンケーキと普通のグラブの中間ぐらいにいるトレーニンググラブをご紹介いたします。乞うご期待。

 Valle training gloveのnoteはシリーズ化したいなあ…。すべては部長次第です。次がなかったら部長に抹消されたとご判断ください。

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