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リーダーに求められるもの ーー Leadership を読む②

ルドルフ・ジュリアーニ(Rudolph Giuliani)氏は、1994年から2001年まで、ニューヨーク市の市長を務めた人物です。ブッシュ大統領の時代です。ブッシュといっても息子のほう、ちょうど同時多発テロがあったとき。

苗字からわかるように、イタリア移民の家庭に生まれ、ロー・スクールまで出ました。ブルックリン育ち、ばりばりのヤンキースファン。カトリックの共和党員。ずっと司法畑を歩いてきて、市長時代にもがんがん治安を改善していきました。

そんなこんなでけっこうな人気があって、ルディなんて愛称で呼ばれていたり。不倫でテレビ雑誌に追っかけられたり、大統領選で応援演説してたかと思えば、今度は自分が立候補したり、まあ話題には事欠かない、エネルギッシュなおじさん、いやもう今はおじいさんか、80歳?

最近は、トランプさんと仲良くなったばっかりに、訴えられるわ、家宅捜索されるわ、弁護士資格は停止されるわ、さんざんですが、そのきわめつけに1億ドル超の損害賠償命令を下されて、2023年のクリスマス直前、ついに破産してしまいました。嗚呼なんということでしょう、波乱万丈、ドラマチックな人生だこと。

でもまあ、さっきも言いましたけど、荒れに荒れてたニューヨークの治安改善に乗り出して、一定の効果があったのは、称賛に価するというか、少なくとも評価はしていいと思うんですよね。有名な「割れ窓理論」(Broken Windows Theory)を実践して、徹底的に、本当に徹底的に犯罪を取り締まりました。

そういうところが人気の理由の一端でもあったかなと思うんですが、自分でも、ニューヨーク市長として、どんな仕事をしたのか、その際に何が必要だったのか、一冊の本にまとめています。それが自伝Leadershipです。

この本では、初めにざっくり自分の半生をまとめ、市長として市政をどう率いたかについて重点的に書いています。目次で章立てを見ると、彼の考える、「リーダーに必要なこと」「チームのために必要なこと」がわかるようになっています。すなわち、

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