六本木バブル前の恋愛映画
『六本木の夜 愛して愛して』(1963/ 日本)監督岩内克己 出演中川ゆき / 峰健二 / 高島忠夫
日本映画専門チャンネルの「蔵出し名画座」での放送。六本木がまだ今のようになる前の姿が描かれている。元々は日本軍の軍事施設があり、戦後はGHQに徴収された。それで外国人が多い地域という歴史があるのだ。日本人の若者が注目したのはTV朝日のビルが出来てから芸能関係者やそれを取り囲むセレブの街として発展して行ったようだ。この映画ではまだそんな華やかな六本木よりも開発中の殺伐とした街の歓楽街として捉えている。原作が笹沢左保『六本木心中』。純愛ものラブストーリーだった。映画の題名には笑ってしまうが、なかなか面白かった。
ヒロインの女の子は翔んでいる子という感じで母親は夜の店のママなのである。子育てや生活するために水商売するという戦後にあるパターン。その母に反発するヒロイン。
六本木の開発工事の残響が暗い影を演出している。峰健二(峰岸徹)は法科の学生で父も弁護士だった。神経衰弱という当時流行りの病だったのか?夢遊病みたいな。夢見がちの若者の刹那の恋という話で悲恋だった。今はこういう映画少ないだろうな。日活路線か?
高島忠夫が正義感溢れる弁護士役だった。
この主題歌が藤圭子が歌うようなブルースで良かったのだが見つからぬ。アン・ルイスの『六本木心中』は80年代バブルだよな。
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