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シン・短歌レッスン14

ヘリコプターを撮ったつもりだが、スマホではゴミ写真にしか見えない。

北原白秋短歌

大野道夫『短歌・俳句の社会学』を読んでいて歌人たちが選んだ短歌の第一位が北原白秋だった。全然、ノーマークだった。むしろ白秋というと詩人のイメージの方が強い。まあ短歌から詩に移行していった詩人なのかな。


大野道夫『短歌・俳句の社会学』

調査した歌人の約二割が選んでいたというから相当な数だ。次が与謝野晶子「やは肌」で牧水「白鳥」が続く。そっちのほうが有名だと思っていたら思わぬ伏兵だった。
評価として、愛唱性がある恋歌だった。後朝の朝の歌でいいんだろうか?林檎ちゃんだよな。おっさんの妄想を掻き立てる歌なのか。五句目字余りなのに、「香」は「か」と読ますのかな。

短歌俳句五番勝負

今日も昨日の続きで『短歌と俳句の五十番勝負』穂村弘X堀本裕樹から。

「四十八」
AKB48が走り出す原子炉の爆発を止めるため  穂村弘
角落ちて四十八滝鳴りやまず  堀本裕樹

「えーけーびー よんじゅうはちが 走り出す 原子炉の爆発をとめるため」前半は上手く収まっているが後半字余りです。幻想歌。
こちらも季語がない、と思ったら、滝は夏の季語でした。「角落ちて」は春に牡鹿の角を落とすという。それならば季重なりでは?よって、「待」にする(引き分けをそういうみたい。ただ使ってみたかっただけ)。

「放射能」
放射能を表す単位ベクトルの和名すなわち「壊変毎秒」  穂村弘
放射能浴びたる千の亀鳴くや  堀本裕樹

短歌は説明っぽいので俳句の勝ち。千は数が多い譬えで、その「亀」が一斉に鳴くのは世紀末っぽい。

「夢精」
「自慰」はでるされど「夢精」は永遠に出ないスマホの漢字変換  穂村弘
明易きまぼろしの手に夢精かな  堀本裕樹

パソコンでは「夢精」は難なく変換できたけどな。機種によりけりなんだろう。その出ないということに意味を持たせているのかもしれない。「夢精」は「手淫」じゃないから想像だけで射精するのにはよほどのことが無い限りでないのかもしれない。そう読むとけっこう深い意味だった。「明易(あけやす)き」は夏の季語。夏の夜明けが早いこと。射精としてはすぐに逝くのは良くないので、短歌の勝ち。

「客」
「店員」と胸に書かれたTシャツを着ているけれど客なんだって  穂村弘
客塵というふ塵あふぐ扇かな  堀本裕樹

短歌は安易すぎるような。かと言って俳句は難しすぎるようなよって「持」。

「塗る」
三人の官女をみればひとりだけその歯の黒く塗られていたり
  穂村弘
夕焼けに塗り込められてゆくこころ  堀本裕樹

これはハイレベルな戦いだ。お歯黒もいいし、夕焼けの素直さもいい。今の時期夕焼けも綺麗だから。よって「持」。今日は「持」ばかりになってしまった。

映画短歌

今日は『ケイコ目を澄まして』でしょう。


練習の数だけ君と
ミット打ち
人の痛みを分かち合うとき

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