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「ヤバい」しか言えない北朝鮮ドキュメンタリー

『THE MOLE』(ノルウェー、デンマーク、イギリス、スウェーデン/2020)監督マッツ・ブリュガ―  出演ウルリク・ラーセン

解説/あらすじ
デンマークの元料理⼈が約10年間にわたって⾃⾝のスパイとしての⼆重⽣活を記録。コペンハーゲン出⾝で元⿇薬密売⼈の相棒とともに、今、世界で最も謎に満ちた独裁国家・北朝鮮に潜⼊する。⼆⼈は、⻑い⽉⽇をかけて武器や⿇薬を製造及び供給する北朝鮮の国際犯罪組織の中枢へと潜り込んでいく。商談を重ね、契約を結び、やがて主⼈公はアフリカ某所で兵器と⿇薬の密造⼯場建設計画に深く関わることとなる…。

北欧のマイケル・ムーアなのか、監督もヤバい人だった。その前に撮った北朝鮮のドキュメンタリーで北朝鮮を大激怒させ出入り禁止になっていた監督でした。その時の映画も凄いらしい(未見)。その前作のドキュメンタリーを観て、ウルリクという人がスパイ活動をしたいと申し出たのだ。デンマーク人は変な人ばっか?

前作はお笑いだけど、こっちは潜入捜査だから、これもヤバいドキュメンタリーだ。北朝鮮にスパイを送り込んで映画を撮るという、またその内容も北朝鮮の武器輸出に関わることだから、ほんとヤバい。その内幕の全貌が知ることが出来る。なんとなくそうなのかなと思っていた部分だけど、実際に映像で見るとかなりヤバい。ヤバいしか言えない。

まず資金提供者(この人も元麻薬の密売人でかなりヤバい人)を探してアフリカに武器製造基地を作る。それもリゾートホテルでカモフラージュして地下が武器工場。それは北朝鮮の技術で。そして武器と石油と金の三角貿易で出どころをわからなくするという。輸送もロシア経由なんだよな。そういう武器がシリア内戦で使われたりするのだ。北朝鮮の幹部たちは、トランプを笑って水爆を落としてやるとか言っている。

実際には工場建設をする前にスパイだと公表したのだが、アフリカの湖の中にある島を買って、島の住民には病院建設だと偽の情報を流し歓迎され、あとで政府の官僚が島を追い出すって。そういう感じでマネーで繋がっているのだった。武器だけじゃなく、麻薬工場も一緒に作るとか。北朝鮮はどこまでもヤバい。

これはドキュメンタリー映画の為に実際に行われてはいなかったのだが、そういうノウハウは北朝鮮にあるということだ。実際に支持するのは、北朝鮮の幹部たちなのだから。あとアフリカと中東の政治的な腐敗は、金でどうにもなる世界のだ。その元で貧しい者たちが犠牲になっていく。

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