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詩
枯れアザミ
街道に咲くアザミはまだそこにいた
すれ違いざまにオレはいう、枯れちまって
赤信号の変わり目 棘に触れないように
酔っぱらいがからかい 足元がふらつく
紫の花に惹かれて持ち帰ろうと
棘げに刺され 血を流しやがった
あの紫はどんな薔薇のよりも
綺麗だった 今年の花の中でいちばん
もう冬になるっていうのに
このまま枯れても誰も刈ろうとしない
車がすれ違いざまに風で揺らし
嫌われ者の穂を飛ばし尽くし
残っているのは枯れ切った姿だけに
それでも立ち尽くす枯れアザミに
酔っ払いは歌を捧げる
「街道のオニアザミ」
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