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さつき雨麦打ちてミステリー・サークル(魔の間)かな

写真ではわかりにくいのだが、昨日の雨風で麦畑が被害に会った様子である。昔ミステリー・サークルなどと言われたが自然現象で風が渦巻くように円を描いて麦畑などがうち倒れるのではないかと思った。そういう被害に出会うのは台風シーズンとか。季節の変わり目の長雨とか麦にとっては日本の環境は適さないのかもしれない。それで米文化なのか?麦だともっと乾燥地帯なのかと思った。

日本人なのに最近米を食べないな、と思う。朝はパン食だし、昼もパンかうどんで夜もほとんど同じような。食も細くなったというのもあるがご飯はほとんど食べなくなった。たまにカレーが食べたいときぐらい。小麦文化に侵食されているのだろうか?やはり小麦は輸入が多いのだろうな。日本における小麦の輸入量は8割以上だった。米はほぼ日本国内で生産できるのだが、小麦はやはりそういうことだった。

日本の文化を守ろうと言うのなら米を食べなきゃ駄目だろうと思う。その危機感が小津にはあったと思うのだ。

ただ米だけ食べればいいというものでもない。それに付随する食卓は今や輸入品が多くなっていく。大豆とか基本食料も米意外は輸入品が多くなっているのではないか。国産は今や高級品であり、経済的なことを考えれば輸入品にたよざる得ない生活なのだ。

その大半を輸入に頼り、その最大の輸入国がアメリカと中国なのだろう。この二国が戦争をしたら真っ先に被害に会うのは日本だと目に見えている。食料飢饉は、平成にもあったのだ。平成の米飢饉はタイ米(インディカ米)が入ってきたことで文句タラタラの日本人だった。

今は米不足で困るのは家族を持った家庭だろうか。それ以上に問題なのが単独世帯が4割もあるということなのかもしれない。

文化の話をしようと思ったのは『源氏物語』でウェイリー翻訳の『源氏物語』の話をラジオで聴いたからだった。あれを『源氏物語』の文化だと思うものは日本人には少ないと思うがイギリス文化だと思えば楽しめる。なんだろう食生活もアメリカ化されているうちに文化もアメリカ的になってきたのか?かつてはアメリカ文化の対極にあった日本文化がアメリカ化しているのは村上春樹のせいだろうか?

村上春樹も全てじゃないしても好きな作品もあるからな。ウェイリー版『源氏物語』も楽しめると話をしたかったんだ、話がこんがらがった。

聴き逃しのウェイリー訳の再翻訳をしている鞠まりえさんの話が面白かった。最初に更衣がベッドチェンバーズと英訳されていて、それはずばりベッドを共にする人なんだが、日本だとそこらへんは曖昧にぼかされる。当時の女性は明らかにそのような役割であったことは間違いなく、それによって家制度が存続してきたのだし、逆に女の立場が強くなったとも言える(天皇の后は国母なのだから)。『源氏物語』はそうした女たちの世界を描いている。

絵合わせで『竹取物語』が「バンブー・カッター・ストーリー」とあって竹を切り出す翁が表題になっているのだ。それで絵合わせでの批評で、あまりにも貧しい者の物語だと女房たちが批評するという。しかし姫にスポットを当てると輝くばかりの姫であり、それは光源氏のシャイニングに受け継がれていた。

もう一つ『竹取物語』の批評で、本来は神話的なイメージで語られたのだが「よばい」という言葉が出てきてそれは「呼ばい」なのだが、昔読んだ人は「夜這い」の意味を含ませていたという。そうした掛詞が隠語としてあったのが雅な話から俗な話へとパロディにする精神性が俳諧にはあるのだということを林佳『船長の行方』「加藤郁乎論」で読んでいた。批評とは流れを導くもので、舟の方向性を定めるものなのかもしれないと思った。

それと同時に読んでいる『魔の山』での魔とは女性のことであり、その女性のイメージがアジアであるという。当時のオリエンタリズムとして『源氏物語』が寝物語(「アラビアン・ナイト」)のように語られたのだ。それが病と同様の熱病であるという話だった。

そうした女性蔑視の物語の古典は聖書であって、エバがアダムを誘惑する話から来ているのだということはリラダン「未来のイヴ」でも語られているので、女性蔑視の思想は『魔の山』と同じような男に災いをもたらす誘惑者として描かれる。それは作者である二人が大失恋したのかもしれないと思ったのは、妙に納得してしまうところがあったからなのだ。女ほど酷い生き物はいないと。

女の野生みたいなもの、男の理性と対置されるのかもしれない。それが『源氏物語』にも描かれているのか?「魔の山」とはほとんど宇治と言っていいかもしれないと思ったのだ。それは薫に取ってだが、紫式部は逆に描いているのだった。

さつき雨麦打ちてミステリー・サークル(魔の間)かな

ミステリー・サークルは音律的に長いので「まのま」と読ませた。今日の一首。

大失恋
マンが夢見る
『魔の山』は
魔の間の間男
魔女の火炙り

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