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直ぐ側の台湾問題

『華のスミカ』(2020年製作/98分/日本)監督林隆太

解説
華僑4世の林隆太監督が自身のルーツをたどり、横浜中華街の知られざる歴史を描いたドキュメンタリー。横浜中華街にある日本最大規模の中国人コミュニティ。その歴史は約160年前にまで遡り、彼らは団結することで中華街を発展させ、幾多の困難を乗り越えながら日本社会で独自の地位を築いてきた。しかし1952年、横浜中華学校で毛沢東を支持する教育が行われているとして教師が学校から追放された「学校事件」をきっかけに、大陸系と台湾系に学校と華僑総会が分裂し、長きにわたって対立が続いた。かつて紅衛兵だった父の写真との出会いをきっかけに家族の過去と向き合うことを決意した林監督が、日中台の政治に翻弄されてきた華僑の苦難と葛藤の歴史、そして共生の時代を歩む現在の姿を映し出す。

父が在日中国人で中学時代に紅衛兵だったという中華街の歴史を紐解いていくドキュメンタリーで面白かった。中華街の学校は台湾系だったと初めて知った。それも60年代頃に台湾から校長先生が派遣されてきて、学校が中国系と台湾系と2つに割れたという。中国での争いが日本の中華街の学校の中で起きていたのだ。それまで同じ華僑として生活を共にしていた者が国家の思想によって分裂する。

中国共産党系の人たちは山手の方に学校を移した。それまで家で教えていたという。横浜中華街にそういう歴史があったとは知らなかった。中国と台湾の縮図が学校の中で起きて昨日までの友がそれっきり会わなくなってしまう。子供には関係ないことだけど親たちの影響を受けるのだ。そのときそういうのが嫌で日本の学校にやった親もいたという。

今は徐々にではあるが共に中華街の華僑としてやって行こうという方向性はあるみたいだが、それでも台湾系とか中国系というこだわりがなくなったわけでもなく、なんとなくあるようだ。そういうことを知らないで育った者同士が偏見なくやっていければいいのかもしれない。

それにしても中国の発展は凄い。福建省で昔は日本に出稼ぎに来ていたのに、今は高層ビルが立ち並び住宅事情も日本よりよっぽど良くて風力発電が当たり前のようにある。もう日本に出稼ぎに行くものはいないという。これから先はますます日本との経済格差は開くだろうな。それでも中国がいいとは思わないけど。でも台湾はどうなるのかは気になる。




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