見出し画像

夕昏れて腹冷へ三錠正露丸

夕焼けが綺麗だったので撮ったがビューポイントではなかった。夕焼けは高台がいいな。やっぱ駅の歩道橋がいいのだろうな。夕焼けで思い出すのは映画『緑の光線』。

ここまで書いてバテる。腹痛で調子が悪い。正露丸飲めば治ると思うのだが。昔から腹痛の薬は手放せなかった。毒消しとか赤玉とか。なんなんだろう。飲むと治る。祖母は毒消し、家では赤玉。ワインみたいだけど富山の薬売りのような常備薬だった。最近はドラッグストアーがあっちこっちにあるので薬売りという商売も無くなってしまったかもしれない。

読書。『ドレのドン・キホーテ』を読む。結局図書館で借りた。ドレの絵付きの奴。『ナボコフのドン・キホーテ講義』を第三回途中まで。途中で寝てしまったのだ。

セルバンテスの騎士道物語は騎士道物語がけしからんからパロディとして書いているうちに面白くなってしまってミイラ取りがミイラになったような。7章まで読んだのだがやっぱ面白いんだよな。ドン・キホーテみたいなオヤジいるよなと思って考えたらネトウヨだった。アニメの戦争ものを見て日本を守らねばとイキってしまって現実と虚構との堺めがわからなくなる。それは十分今の時代にあることだった。行き過ぎるとコスプレだったり、三島ゴッコをするかもしれない。他所で散々な目にあって、それで騎士道物語の本を焼かれるのだが、そういうのもありそうだ。妻とか娘がオヤジの本棚を見てそういう本を焼き尽くすという。それでもサンチョ・パンサを伴って第二回の遠征に行くのだ。いつの間にか従者が出来ているのだった。

大江健三郎『さよなら、私の本よ!』もそのような話で、本に影響されてテロ行為をするグループと近づいてしまう。ドストの『悪霊』とかのパターンで、作家が持ち上げられるのがセリーヌの『夜の果てへの旅』だった。その二人組に「ドン・キホーテ」の騎士道物語を重ねていく。それはサイードの「晩年の仕事」で9.11のテロについてのことがイメージ(問題化)されているのだが、そこに登場してくるテロリスト学生がロシアと中国人というのが今の対立の構造を掴んでいるなと。それと三島問題もあるのだった。アメリカの属国になっているということなんだが、現代の問題そのものだった。ただ今この日本でテロを起こそうとする人間がいるかな?それでロシアと中国人なのだというのは納得できる。そのドンキホーテ役になるの椿繁で、アメリカの教授だったのだが段々とアメリカ型の大学が嫌になっていくという建築学の教授だった。書記としてサンチョ・パンサ役をやらされるのが古義人という構図だった。

図書館で『中国詩史』という本を借りたのだが中国の昔の詩人は政治家でもあったというような。政治を目指して政治と詩が両立していたのだ。その論説を読んでハッとしてしまった。日本の詩歌ではそうなることを望んでなく男女の恋愛とかの詩歌に成っていくのは『源氏物語』でも権力に対しての諦めがあるのかもしれない。それで政治から離れていくのがいいとされるような文学なのかな。『源氏物語』は裏に政治的駆け引きがあるのだが。表は恋愛物語となっている。

日本の詩歌の模範となったのが『古今集』なのは、そうした恋愛和歌が多く模範として載せられていたからなのだ。戦争詩というのは『万葉集』にはけっこうあったと思うのだが『古今集』は無くなっていくような。この辺は考えてみる必要がある。今日の一句。

黄昏れて腹冷え三錠正露丸

正露丸の宣伝だな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?