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インドの民族楽器は凄すぎ

『響け!情熱のムリダンガム』(2018/インド)監督ラージーヴ・メーナン 出演G・V・プラカーシュ・クマール/ネドゥムディ・ヴェヌ/アパルナー・バーラムラリ/ヴィニート


解説/あらすじ
インドのチェンナイ。両面太鼓のムリダンガム職人の息子ピーターは、映画スター、ヴィジャイの推し活に余念のない学生。だがある日父の作ったムリダンガムを巨匠が演奏するのを目の当たりにし、自分もその奏者になりたいという衝動が起こる。その瞬間から、カーストによる差別、伝統音楽と映画・テレビ業界との軋轢、伝統芸能の生き残りと承継、世代間の意見の相違など、様々な障壁や困難に次々と立ち向かうことになる。

coco映画レビュアー

『RRR』よりは面白かった。インドの民族楽器ムリダンガムに惹かれていく青年が名人に弟子入りするのだが親がムリダンガム職人だった。カーストで皮を扱う者は最下位だからそんな青年が音楽家になるのは許されないという制度がありTVに出たことで師匠からも破門される。

そのTVがアメリカン・アイドルのような楽器のスター誕生のような番組で競争心をあおって視聴率を稼ぐという番組だった。そこの審査員が差別主義者というか師匠の技を盗みそういう流行音楽にしようとする男で、アメリカの資本主義社会がインド社会に影響を与えている。

けっこうそういうインドの国内状況を描きながらムリダンガム奏者となっていく青年の姿を描く。何と言ってもムリダンガムのリズムが、インドのダンスに影響を与えているのがよくわかる。青年は師匠から破門された後に各地を放浪してあらゆる打楽器奏者と演奏しなが腕を磨いて師匠にも認められる

アメリカンのTVの影響を受けた番組の司会者は、ライバル対決として、かつてムリダンガム師匠の教え子二人を対決を煽っていく。このへんはアメリカ批判があるような。そのライバル対決の演奏も見どころの一つで、ムリダンガムの魅力を十分に伝えている。

最終的にはそのスター誕生みたいな番組でライバルを倒す競争原理の映画なのだが、師匠が井戸の水でいるより大河の水であるほうがいいと言うメッセージはナショナリズムを煽っていく『RRR』よりも考えるところがあった。まあラブストーリーでもあるエンタメなんだがインド音楽が楽しめる。

この配給が日本のインド料理屋さんというのも好感が持てる映画なのだ。


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