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素人芸の範疇なのか学芸会のジャンヌ・ダルク

解説/あらすじ
1425年、フランスとイギリスによる王位継承権をめぐる「百年戦争」の真っただ中。幼いジャネット(※ジャンヌ・ダルクの幼少期の呼び名)は、小さな村ドンレミで羊の世話をして暮らしていた。ある日、友だちのオーヴィエットに、イギリスによって引き起こされた耐え難い苦しみを打ち明ける。思い悩む少女を修道女のジェルヴェーズは諭そうとするが、ジャネットは神の声を聴く体験を通し、フランス王国を救うために武器を取る覚悟を決める。ジャンヌ・ダルクの幼少期が、奇妙奇天烈な破壊的ミュージカルに!?シャルル・ペギーのテキストの韻律に活力を与える歌。そこに響く激烈なる音楽。そして、あまりにぎこちない舞踏…。緊張と弛緩のとめどない反復の内に時間の感覚が消失し、奇異なまでの現代性が浮かび上がる。

『ジャネット』(フランス/2017)監督ブリュノ・デュモン 出演リーズ・ルプラ・プリュドム/ジャンヌ・ヴォワザン/リュシル・グーティエ

ジャンヌ・ダルクのミュージカルなのだが、土着的な野外劇場のようなアイデアは面白いと思ったがもう少し洗練された方が良かったかな。まあ宝塚とかハリウッドのミュージカルと比べられないけど学芸会レベルだった。ロック調の音楽とヒロインの子の歌とダンスはいいのに全体的に緩い。

主役の二人のジャネット役のヒロインは、歌もダンスも何か魅せるものがあるだけに、回りはもっとプロで固めてもらいたかった。

尼さんの二人が阿佐ヶ谷姉妹にしか見えなかった。面白いと言えば面白いだが。修道女ジェルヴェーズは、双子の姉妹だった。歌が上手いから起用されたとあるのだが、訓練されていないから素人芸の域を出ないのだ。阿佐ヶ谷姉妹がやったほうが面白いと思う。あのシーンは、結構重要でジャンヌが修道女と対話を通して、修道女的な受け身の祈りではなく攻撃に転じようとするシーンなのだから。それをヘビメタの「ヘッドバンギング」で表現したという。歌舞伎の連獅子みたいだった。もっと豪華な方がいい。

ジャンヌの前に現れる神の使者(ミカエルとか)もわざと際物的にキッチュで描いているのだが、学芸会的に思えてマイナスに作用する。あそこは、もっと映像テクニックを使って壮大なスペクタクルのシーンにするとか。ゴダールっぽくていいのかもしれないが、一般的には安っぽく見える。

あとジャンヌの叔父さんはラップだと思うのだがリズム感ナッシング。トリック・スターな道化師的な人物なので、歌と踊りはちゃんとしてもらいたかった。こういうトリック・スターは一番出来る人がいい。

『ジャンヌ』は続きものなのかな。この感じのミュージカルだったら見なくてもいいかも。もっと面白くなる要素はあると思うのだが。でも『ジャンヌ』の方は映画レビューサイトでも評価が高い。

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