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日本にキャスティング・ディレクターはいるのだろうか?

『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』(2012/アメリカ)監督トム・ドナヒュー 出演マリオン・ドハティ/マーティン・スコセッシ/ロバート・デ・ニーロ/ウディ・アレン/クリント・イーストウッド/ロバート・レッドフォード

解説/あらすじ
映画業界で最も重要な仕事の一つでありながら、最も知られていない仕事=キャスティング(配役)。本作はその概念を一新させ、ハリウッドで長年活躍したキャスティングの先駆者マリオン・ドハティ(1923-2011)を中心に、キャスティングという仕事に迫るドキュメンタリー。

ハリウッドの分業化で監督の権限も小さくなるのかと思ったが、ちょっと違った。ウッディー・アレンがキャスティングするとなると、面接も出来ないし人に会うのも嫌だというので納得してしまった。ウッディー・アレンは随分助けられたようだ。

また人気俳優ばかりだと新人が出てこない。その映画のはまり役というのが新人であることも多いのだ。なにより女優は演技力よりも美人を選びがちだという。まあ、監督のスキャンダルも多いし。

俳優の側からすれば名前が知られていないが演劇界で活躍しているとか、映画のイメージに合う役者とか、それ以上に監督の中にある人種の偏見をも変えてしまうこともあるという(黒人の俳優をキャスティングして当たった)。『ガープの世界』オカマ役の人とかほんと適役だよなと思う。アル・パチーノの俳優の道を切り開いてくれたのもキャスティング・ディレクターだったマリオン・ドハティだという。

アカデミー賞でもキャスティング・ディレクター賞を作ろうという運動もあるようなのだが、監督協会が反対しているという。一部の保守的な監督が人事権を手放したくないような。イーストウッドとかは感謝を述べていたりする。他にマーティン・スコセッシとか支持する監督も多い。

ハリウッドでも次第にそういうプロの仕事は合理化されていくという。人気ある俳優だけのキャラクター映画ばかりなのかもしれない。

ういう問題もあるが、映画としては、キャスティングのいい映画が沢山観られるという贅沢なドキュメンタリーだ。それだけでも満足である。キャスティングの重要さもよくわかる映画なのだ。

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