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「『いちご白書』をもう一度」と「サークル・ワルツ」

『いちご白書』(1970年製作/109分/G/アメリカ)監督: スチュアート・ハグマン 出演:ブルース・デイヴィソンキム・ダービーボブ・バラバンジェームズ・クーネン


1968年に起きたコロンビア大学の学園紛争をモチーフとし、70年・第23回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した青春映画の名作。ごく普通の大学生サイモンは、学生運動に参加する女性リンダと知り合い、リンダと親しくなりたいがために闘争にも参加するようになる。しかし、サイモンの闘争に対する姿勢が気に入らないリンダはサイモンの下を去ってしまい、失望したサイモンは急速に学生運動にのめりこんでいく。バフィー・セント=マリーが歌うテーマ曲「サークル・ゲーム」やジョン・レノンの「平和を我等に」など、時代を彩る名曲の数々も話題に。2011年、初公開から40年ぶりにニュープリントでリバイバル公開。

NHKBSで録画していたのを観た。最初に観たのは、バンバンの「『いちご白書』をもう一度」がヒットしている頃で、今では考えられないが中学の視聴覚教室でみたのだ。他にも戦争映画とか観た記憶があったから映画好きな先生がいたのかもしれない。はたして、この映画で何を伝えようとしていたのだろう?世は完全にしらけ世代後で別の意味で荒れる学校だったが。

今見ると懐かしさだよな。流石にバンバンは流れてこないがジョニー・ミッチェルの『サークル・ワルツ』(歌手は別だった)が主題曲で、青春映画そのものだったんだと思う。

今見る方が興味深いというかアメリカ・ニューシネマの手法で手持ちカメラとかストップモーションとか、カット割りの斬新さとか面白い。ほとんど前半は学園生活のノスタルジーな映画なんだが、ラストシーンに向かう高揚感は民主化運動そのものなのだが、弾圧する権力側も今と変わらないのだった。

アメリカが世界に広めたというか、こういう弾圧の仕方が手本だといような。映画は勿論抗議の意味で作られていたのだが、時代が巡っても本質なところで変わってないのはまさに「サークル・ワルツ」そのものの詩だったんだと。

日本だと「『いちご白書』をもう一度」となるのだが、それは映画でということだよな(懐メロ映画)。まさか学生運動がもう一度起こせという映画ではないと思う。


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