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サッカーをする姿がラモス瑠偉だった『ボブ・マーリー ONE LOVE』

『ボブ・マーリー ONE LOVE』(2024年製作/108分/PG12/アメリカ
)【監督】レイナルド・マーカス・グリーン 【出演】キングズリー・ベン=アディル/ラシャーナ・リンチ

ジャマイカが生んだ伝説のレゲエミュージシャン、ボブ・マーリーの波乱万丈な人生を映画化した音楽伝記ドラマ。

1976年、カリブ海の小国ジャマイカは独立後の混乱から政情が安定せず、2大政党が対立していた。30歳にして国民的アーティストとなったボブ・マーリーは、その人気を利用しようとする政治闘争に巻き込まれ、同年12月3日に暗殺未遂事件に遭う。2日後、マーリーは怪我をおして「スマイル・ジャマイカ・コンサート」に出演した後、身の安全のためロンドンへ逃れる。名盤「エクソダス」の発表やヨーロッパツアーを経て、世界的スターの階段を駆け上がっていくマーリーだったが、その一方で母国ジャマイカの政情はさらに不安定となり、内戦の危機が迫っていた。

「あの夜、マイアミで」のキングズリー・ベン=アディルがボブ・マーリー役で主演を務め、「キャプテン・マーベル」のラシャーナ・リンチが妻リタを演じた。「ドリームプラン」のレイナルド・マーカス・グリーンが監督を務め、プロデューサーにはボブ・マーリーの妻リタ、息子ジギー、娘セデラが名を連ねた。

ボブ・マーリーは好きだから音楽だけでも身体が動き出してしまうほどレゲエ好きだった。その前に観たラスト・ライブ映画が良かったので期待していた。

ただ映画は実物よりもかっこよすぎかな。それは制作者に妻や息子が参加しているのでカッコ悪い映画には出来なかったと思う。ただ実際のライブは、ダサカッコイイのがボブ・マーリーなのでその部分がちょっとマイナス要素かな。サッカーをするとラモスになるし。

ボブ・マーリーの音楽が好きな割には、実際のボブ・マーリーについて知らないことが多かった。てっきりライブ中に暗殺されたのかと思ったらその事件では生き延びたのだった。それでジャマイカを出てヨーロッパを転々としていて音楽が知れ渡るのだった。そのときに作ったアルバムが『Exodus』で、これはタイム誌のベスト1アルバムになっていた。私もそのアルバムからかな。とにかくレゲエ好きは観るべき映画であり、ボブ、マーリーのバックボーンである「ラスタファリ運動」(キリスト教プロテスタント系のジャマイカ土着宗教)の思想もよくわかった。ほとんどキリスト教と同じなんだが、キリストが土着の貴種流離譚であるのはアフリカ系奴隷のプロテスタントと同じような感じの宗教。キリストがボブ・マーリーだというのは、ほとんど音楽が聖書メッセージのような存在になっているのだ。だから映画もそのような作りになっているので、音楽ではなくてボブ・マーリーについては今と合わないところがあるかもしれない。

ただあの時代のジャマイカの内戦の中でコンサートを開いたのはやはり凄い影響力があったのだろう。それを知るとライブ映画はさらに感動しただろう。ボブ・マーリーを知らない世代にとっては昔のミュージシャンというイメージかもしれないが、影響力という関してはビートルズ・レベル(ちょっとオーバーか)の人なのである。まずは彼の音楽を聞いてから観に行こう。映画のサウンドトラックはほとんど彼の有名曲で馴染があるものばかりだ。

それが気に入ったなら、ぜひライブ映画も観て欲しい。映画だけどライブのように楽しめる。

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