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恋人は迷宮の入り口去年はない

『去年マリエンバートで 4Kデジタル修復版』監督:アラン・レネ/脚本:アラン・ロブ=グリエ/撮影:サッシャ・ヴィエルニー/音楽:フランシス・セイリグ/製作:ピエール・クロー、レイモン・フロマンデルフィーヌ・セイリグ/ジョルジオ・アルベルタッツィ/サッシャ・ピトエフ

時代も国籍も不明な、バロック風の宮殿のようなホテル。宿泊客の中に女Aと男Xと男Mの3人がいる。MはAの夫で、XはAの愛人のようだ。Mがこっそり見守る中、XはAを口説き続ける。「去年、お会いしましたよね?」しかし、Aは全く覚えていないと拒絶し続ける。Xは、去年会った際、1年後に駆け落ちする約束までしたという。XとAは1年前に本当に恋に落ちたのか?Aが知らないふりをしているだけなのか?それともAはXを完全に忘れてしまったのかーー。

主人公の男の妄想なのかブルジョワ女との情事のあとに一年後にマリエンバートに来てくれたら一緒に駆け落ちしましょう、という話だったのが女は覚えていない。女との対話によってどう駆け落ちまで持っていくか?睡魔に襲われるのは確実な映画。

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「マリエンバート」が暗示しているのを勝手に解釈すると「マリー(結婚)エン(ド)バード(鳥)」で籠の中に捕われている女なんだろうと。1つの迷宮ゲームであり、眠らずに最後まで観ることが出来たらマリエンバートの迷路から脱出できる?

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妄想のラストで映画館を出たときにジデルフィーヌ・セイリグ(ヒロインを演じている女優)を連れ出せたと思えたらハッピーエンディングな映画。シャネルに身をまとうブルジョワ女だからかなり難題。羽のような白いドレスで夫に撃たれる幻想?のシーンが鳥なんだと思った。


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