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これもアメリカン・ドリームなんだろうか?

『メルビンとハワード』(1980年/アメリカ/95分)監督:ジョナサン・デミ 出演:ポール・ル・マット、ジェイソン・ロバーズ、メアリー・スティーンバージェン

ポール・トーマス・アンダーソンをはじめ多くの映画作家たちに多大な影響を与えてきたジョナサン・デミ監督の初期の傑作であり、大富豪のハワード・ヒューズの遺産相続人となったメルビンの体験談の映画化。日本ではCS放送と限られた上映イベントで上映されるにとどまっていたが、昨年の上映イベントでは絶大な人気を博した。

最初に「イージー・ライダー」のようなバイクシーンがあったのだが、それが見た目はホームレスだったが大富豪ハワード・ヒューズということなのだが、当時のアメリカ人はともかくこのエピソードを知らないと理解に苦しむ映画だ。

お気楽アメリカ人夫婦の話で、メルビンは妻には逃げられるし、生活はどん底な男なんだが、妻がハチャメチャのじゃじゃ馬というようなアメリカ娘で、欲望の資本主義を絵にかいたようなストーリーなのだが、最後はメルビンにもハワードの遺産が転がり込んでハッピーエンドになる。

実話にしても出来すぎの退屈な話でけっこう寝ていた。アメリカン・ニュー・シネマの香り漂う作風で、イージーライダーとか真夜中のカーボーイとかの世界。西部の砂漠地帯の閑散とした風景からいきなりネオンの街が現れてくるそんな70年代頃のアメリカだろうか?ビート・ジェネレーション世代というか、欲望のまま突っ走るのは妻の方でアメリカを体現しているような女性だった。最初のホームレスの爺さんの存在がいまいちわかりにくかったように感じる。


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