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2023年9月の記事一覧
マッチ一本歌事のもと(第六話)
これまでの物語
歌会始め
オレはフミコの言われるがままに放課後部室に行くと学年が同じ一年の柳棚国男に手招きされた。
「フミコを部活を辞めるんで、お前を指名だってな」
「………フミコが部活を止めるって、どういことなんだ!」
「部活だけじゃなく学校を辞めるんだから、家庭の事情だろう。貧困家庭とか?」
「フミコの家は金持ちだぞ。それにオレのメールにはそんなことは書いてなかった!」と修一はメールを見せ
マッチ一本歌事のもと(第五話)
休みん俳『勝手に企画』
『同じ月を見上げて』
『マッチ一本歌事のもと』
朝、目覚ましより先に一通のメールで起こされた。上条フミコからだ。そのメールを読んで、おれの眠気は一気に吹っ飛んだ。
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今日は白百合女学園との対抗歌会です。五人の代表者によって短歌を詠み、
マッチ一本歌事のもと(第四話)
上条フミコの歌論は、「もだえ神」の巫女になることだ。まず「もだえ神」というのは俺だったら寺山修司。俺がすべてを捧げられる人物(神)をイメージする。そしてそれを世界に布教したいと行動するのが「もだえ神」に仕える巫女としての役目だという。だから「もだえ神」にとってこの世界は悪魔の棲む世界なんだ、と上条フミコの論理。
そして、上条フミコの「もだえ神」は中条ふみ子となる。その方法だが「本歌取り」という和
『マッチ一本歌事のもと』(創作ノート)
登場人物設定
寺川修一(歌名)。寺山修司の歌集を読んで短歌に目覚める。母と二人暮らし。父は売れない作家。高校一年生。短歌部所属。上条フミコ(歌名)に短歌を猛特訓されて、ライバル高校歌会デビュー。相手校は小野マチコ率いる白百合女学園だった。屈辱的な敗戦の結果、それまで以上に短歌に目覚めていく。熱血漢。漫画的。まあヒーローだから。
上条フミコ(歌名)。中條ふみ子の生まれ変わりだと信じる女子高生。寺