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さらば、マイ臓器 #1

左卵巣摘出で腹腔鏡手術、計5日間の入院生活を経て、
先日無事退院することができました!
入院までのお話はこちら。

入院生活で、一番の収穫はジミー先生との出会いでした。
ジミー先生というのは私が勝手にそう呼んでいるだけであって、見た目は全く似ていないのですが、仕草・話し方・声色がジミー大西さんにそっくりな、執刀してくれた先生のことです。
このジミー先生、プロ中のプロで、その手腕に私は心底感動してしまいました。
そう、この人無くして入院生活は語れないのです。

手術前日、入院初日。私の不安な気持ちはピークを迎えようとしていました。腹腔鏡手術は比較的体へのダメージは小さいということでしたが、ネットでグロい画像を見つけては「うッ!」となり、手術同意書の注意書を見ては「うッ!」となり、一体「うッ!」を何回繰り返したか。
奇しくも手術当日はスーパームーンで皆既月食というロマンチックな日。
いやいや、偶然にしてもそんな日にあたらんでも〜〜!!
と、ひとり病室で突っ込んでは侘しさを充満させていました。

そんな中、「トコトコトコ…」と言いながら病室に近づいてきた人が居ました。ジミー先生の登場です!
開口一番、両手をぶんぶん振りながら「わ〜〜〜〜!!青谷さ〜〜ん!!あなたが青谷さんね〜〜〜〜!!!どうも〜〜〜執刀医の〇〇で〜〜す!!!」とテンションフルMAXで自己紹介。
あっけにとられていると
「それじゃ、がんばろ〜〜ね〜〜〜!!!」と軽くウィンクして
「トコトコトコ… トコトコトコ」と軽く合いの手まで入れて去って行きました。
ジミーちゃんに鉄矢のエッセンスが入った瞬間でした。
そして私の不安はピーク越えしました。

もしかして…
マッドサイエンティストとかそっち系かな。
血を見るのが三度の飯より好き、とかそんな人なのかな。
あまりの強烈キャラに、思ってはいけないことを思ってしまう自分がいました。

そして眠れぬまま迎えた手術当日。
点滴のため早朝から看護師さんがやってきました。
しかし、私は血管が細いのか奥にあるのか非常に分かりづらく、いつも採血などで迷惑をかけてしまう困った体の持ち主。案の定、よい血管が見つからず点滴できず。
4箇所ぐらいトライしてダメ、
いつのまにか二人がかりになりあーでもないこーでもないと血管を見られ、
「先生が来るのを待ちましょう」ということになりました。
去り際に看護師さんが
「あたしたちじゃ、手に負えない」
とつぶやいたのを私は見逃しませんでした。
なんだか堕天使の烙印を押されたような、どうしようもない気持ちになりました。

その後、満を持してジミー先生登場!
今日も「トコトコ…」と言いながら歩いてこられました。
そして、うなだれる堕天使に、
「右利き左利き真ん中効きどれがスキー?」
ラップでも始まってしまうんじゃないかという勢いで聞いてきたのです。
もごもごしていると、「はい、左にしようねー!」と答えも聞かずに左腕へチクリ。なんと一発でキメてくれました。

すすすごい!すごい先生だ!
命、預けちゃってもいいですか〜〜!?!
と、だんだんジミー先生に感化されてきた私。(なんならノリも…)
単純な性格で本当に良かったと思います。

手術は午後から。
午前中に手術を終えた患者さんが慌ただしく病室に戻ってきます。
とてもとても辛そうな様子でした。
ほどなく看護師さんが来て、「手術の時間が30分早まりましたので、もう行きましょう」と告げられました。

30分ぶんの精神統一タイムが巻き、焦る私。
いやしかし、後戻りはできない。いざ行かん、手術室へ!
と、覚悟を決めました。
その心情たるや戦に赴く武者のごとく。

手術室のある階へ移動し、
ドラマでよく見る「手術中」の赤いランプが見えてきて…
緊張の一瞬、
深く息を吸って、
手術室に足を踏み入れると、、、

なんと、、、

中島みゆきが爆音でかかっていました。
続く。

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