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舞台『咎人の刻印〜レミニセンス〜』開幕!

舞台『咎人の刻印』第二弾がついに開幕となった。
自分は関係者としてゲネプロを観劇したのだが、単刀直入に言うと「良かった」。

孫の晴れ舞台を見る気分の原作者。

今回のシナリオは舞台の完全オリジナル
オリキャラも多く、女性陣も増え、どうなるんだろうと思っていたのだが、実にうまく調和していてよかった。
オリキャラが原作キャラとわちゃわちゃしてるのは最高に可愛かったし、殺陣もパワーアップしてるし、ヒールの主張がストレートでわかりやすく、絶妙な演技が相俟ってとてもよかった。

2時間であらゆるエンターテインメント要素を見られたという印象で満足度が高かった。
お客さんを楽しませようという一座の気概が感じられて、原作者という立場など関係なく、「みんなに見てもらいてぇ~~~」という気持ちが湧いてきたのである。

なので、みんな見てください。
1/28まで紀伊國屋ホールで公演してます。
地下道を使えば新宿駅から直通なので、寒い日でも安心です。
ソワレ帰りも地下道を通ろう。明るくて安全だから。キャッチもいないし。

前作を見ていないとか、原作を見ていない人にもわかるような作りになっているし、本作のみでも充分楽しめる
ただ、前作を見ていると神無と御影がどういう軌跡を辿ってきたかわかるし、神無の或る台詞の重さがわかるので、より楽しめるだろう。
神無と御影が気になるぞ、という人は原作を読もう。こってりたっぷり描かれている。
東雲は原作では女性だが、やってることとテンション感は変わらない。
ただ、幼馴染との関係性や動機に関しては、女性ならではとか男性ならではの味わいがあるかもしれないので、両方堪能して頂けると幸いだ。
因みに、原作の時任はあんなに肉弾戦がボコボコできるわけではない(ヘリは操縦できる)ので、肉弾戦をボコボコできる時任卿を観たい人は舞台版をねっとりと眺めよう。
高峰サンの部下は原作では違うキャラなので、部下の面倒を見るイイ男の高峰サンを見たい方は、原作と舞台両方観よう。

それにしても今回は、神無が本来持っていた他人への優しさとか気遣いが垣間見える演技が多くて嬉しかった。舞台版でしか浴びられない成分を浴びられてとても満足だ。
殺陣では大変美味しいところがあり、危うくスタオベしそうになった。全オタクが好きなやつなので、オタクの皆さんは喜びの雄叫びをあげないよう気を付けよう(私はあげそうになった)
また、御影のアクションは明らかにレベルが上がってて驚いた。
強キャラオーラをすっかりモノにしていて、その成長っぷりに舌を巻いた。
神無と御影のバディ感も大変よい。
確固たる信頼関係が築かれているという空気感が強まっている。
是非、現地でこのアトモスフィアを味わってほしい。

オリキャラの皆さんは、重光サンは良い飄々系キャラで上手くかき回してくれるし、寵チャンはおバカで可愛いく高峰サンとのコンビが面白いし、??ちゃんは存在感がすごいし、蘭ちゃんはクルクル回すところ(ネタバレ配慮)のアクションがえらい美しくて何が起こったか一瞬わからなかった。
個人的にはマドロミちゃんがヤバくて好きだ。彼女を通じて色々と考えさせられた。
オリキャラの皆さんはここでしか見られないし魅力的なので、一人でも多くの方に足を運んでもらえることを願っている。


また、『咎人の刻印』の原作小説とコミカライズは、2階文庫コーナーに特設コーナーが設けられている。
ディスプレイがとても美しい。
紀伊國屋書店新宿本店さんという大舞台で既存什器ではない特設コーナーができるなんて夢のようだ。
私はコーナーの前で、床にめり込むほどの五体投地をしそうになった(警備員呼び出し案件)

19時開演のソワレだと21時の閉店時間に間に合わないので、気になる方は早めにチェックして頂けると幸いだ。
コミカライズ3巻は発売したてホヤホヤなので、是非、お迎えして頂ければと思う。

今回、99.9%を舞台側の皆さまに託していたので、真の意味で「舞台ならでは」のものができたのではないだろうか。
「蒼月海里の原液で作られたコンテンツ」から、「蒼月海里では作れない作品」ができたのは感慨深い。
マドロミは自分が描かないタイプのキャラクターだったので、彼女の存在は大きかった。

今回は本当に、原作者として良い刺激を得られたのと良い経験をさせて頂いた。自コンテンツの思わぬ成長が見られて幸せである。
どうか、千秋楽までお怪我のなきよう。


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