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母の、普通だけどすごいところ(1)


休暇を利用し、3日ほど実家に帰省しました。

平日だったものの、母は仕事の休みを調整し

わたしの休みにあわせてくれました。

久しぶりだったので積もる話もしつつ、映画を

観に行ったりランチをしたり、夜ご飯に好きな

ものを作ってくれたり…楽しく過ごしました。

休みの間の昼間、外出の間に不在票が入って

いたので当日夜で再配達を依頼しました。

18時から20時の間で依頼していたので、

どちらかが受け取れるよう順番にお風呂に

入って、待っていました。


19時を過ぎても宅配便が来ないので、

母は「遅いね〜。」と言っていましたが

私は田舎だからじゃない?と思っていました。

しかし20時になっても来る気配がなかったので

さすがに、遅れる時は電話くれんのかなー?

こっちから電話してみようか?

と待ちきれず母に言うと、

「もう少し待ってみよう〜」と。

そして10分後、ようやく外にトラックが

着いた音がして、母が対応しました。

少ししたあと戻ってきて、気になったので

母に、何か宅配便の人言ってた? と聞くと

「何も〜。おじさんで、こっちの顔は

全然見ずに荷物しか見てなかったわー。

サインお願いしますって言われただけー。」

とのこと。

えー、なんかちょっと遅れたんですけどー!

とか言えばよかったのに。謝罪もないんやー。

と私が言うと、母は

「だめよ。敵はむやみに作ったらだめ。

宅配便の人には寒いのにお疲れ様です、とか

遅くに御足労おかけします、と言うものよ。

変に何か言うと、そういうちょっとしたこと

が人の恨みを買って、いつか受けるんよ。」


そう、何の気なしに答えました。


母の、それらの言葉にハッとさせられました。

普段、電子機器類の扱いも調べずにすぐ聞いて

きたり、出先でもちょっとしたところで恥ずか

しいなぁと思うような場面もあり、

帰省するたびに親の老いも感じていました。

でも、その時は

お母さん、すごい!その考え方。

と感動しました。

それと同時に、わたしがそういう考え方を

できてなかったことが悲しくなりました。

人にとっては、なーんだ大したことないなと

思うでしょうが、私にとってはかなり、

忘れていた感覚を思い出すような、そんな

出来事でした。

普通が、普通じゃなくて、すごいと思う。


そうやって、人同士のちょっとした

いざこざや、心の闇が、軽くなっていくんだな

と、気づけば私も宅配便のおじさんの対応は

どうでもよくなりました。

自分本位の見方だったなと思いました。


毎日インターネットの中の世界をみて

誹謗中傷も含め、たくさんの考え方や意見が

あり、わたしもそのような中で自分の考えも

世の中の見方も、ときに流されていることも

あるなと思いました。

まだまだ母に学ぶことは沢山ありそうで、

わたしも気づいていきたいという想いを込めて

(2)につづく、(1)としておきます。


2022年の出来事でした。