見出し画像

自己責任ってなんだ?

もともと責任ってなんなんでしょうか?英語では「responsibility」と訳されます。語源であるラテン語では「法廷において自分の行為について説明したり弁明したりすること」を指していました。近代の市民革命においては自由と責任は表裏一体と考えられるようになりました。つまり自由のないところに責任はなく、責任のないところに自由はないということです。ラテン語と近代以降の意味を合わせると

「責任とは自由意思に基づいて行動した結果に対して、その本人が他者に対して説明し、しかるべき対応をすること」

では、ここで「自己責任」という言葉少しおかしいと思いませんか?自分が説明することが言葉の意味なのに自己という言葉を付ける必要があるんでしょうか?日本社会では責任という言葉の意味を誤解して使ってる人が多いと思います。義務に違反した時の罰とは責任は違うのです。

よく自己責任と言われるのは「非正規と正規雇用」についてではないでしょうか。職業選択の自由の中で非正規雇用を選んだのであり、その結果に対する責任はその人にある。あるいは、競争の中で努力を怠ったため、非正規になったそれも自己責任だと。よく言われるようになっています。

責任と努力の有無に関係はあるんでしょうか?全く関係のない概念だと思います。努力しなかったことの責任が問われるというのはおかしいのです。努力しなかった結果を受け入れないといけないというのは間違っていないと思います。努力は誰かに強制されてするものではないと思います。努力する義務は存在しません。そこに当然責任もありません。

非正規・正規の問題に戻ってみると努力は関係なく、自由と責任が表裏一体であると先ほど述べましたが、そう考えてみると雇用者と労働者どちらが自由度が高いでしょうか?もちろん雇用者のほうが自由度が高いはずなのです。本来この問題に責任を持つべきは雇用者であり、自己責任論は努力というものを持ちだして弱者に責任を転嫁したものなのです。

そもそも流動性が高く・安い労働力を求めたのは誰なんでしょうか?紛れもない雇用者です。自分たちの都合で仕組みを変えて、それによって起こった問題の責任を労働者に押し付ける。本当に下品だなと思います。

ワーキングプアなどの問題には、労働者の努力不足ではない、雇用者がしっかりと向き合わないと解決できないと思います。

自己責任と片づけてしまえば早い話ですが、実際はいろいろとおかしい言葉なのです。もう一度責任について考えてみませんか?

よろしければサポートお願いします。様々な活動に活用させていただきます!