西瓜と玉葱

スマホのメモにあった俳句

しあはせは 玉葱(たまねぎ)
の芽のうすみどり

 九代目入船亭扇橋



玉ねぎの前に扇橋さんがいると
こんな素敵な俳句が生まれる


しかし
同じ玉ねぎの前に私がいても
オニオンスープは美味しいねぇとか
新玉葱を丸ごと蒸すとほっぺが落ちる
…とか…

食い気ばかりで
何も生まれない。






ほかにも
例えばスイカを目の前にしたとしても

田舎の縁側浴衣に花火 
虫籠のクワガタ越しに過ぎた夏

塩かけると甘くなる
嘘だ練乳にゃ叶わない

ダメだこりゃ
味覚も思考もそこが浅くて
やっぱり食べることしか考えてない



こないだ読んだ雑誌にもそういえば
スイカが出てきてた

…台湾軍が毎年実施する軍事演習の
プレス向けツァーに参加した安田峰俊さんの
台湾最前線ルポ。
そのなかでスイカが出てくる
軍事演習の合間プレス向けレクチャー室で飲み放題の部隊お手製スイカのジュース!
すぐに記者がむらがり空になるほどおいしいらしい …

肝心の軍事演習のルポ内容よりも
スイカジュースが頭から離れない…
そんなに美味いのかな…

食い気から離れられない

情けない。

私の前にあるスイカは
すいかのまま。

海の向こうのピアニストがスイカの前にいると
ウォーターメロンマンという曲を生み出す

下記は
ピアニスト池田みどりさんのブログより
一部抜粋

「〜アフリカン・アメリカンとしての自分自身の経験に基づいた曲を書こう…
僕のバックグラウンドの中で、誰が最もエスニックな存在…そうだ!スイカ売りだ!
…裏口でスイカ売りに呼びかける女性…
「ヘーイ、スイカ屋さん!」
ワーオ。
「ヘーイ、ウォーターメロンマン!」
こうやって、メロディーが始まった…   」

以上抜粋だけど
(池田みどりさんの文章もリズムが心地良くて
なんて音楽的!)


ハービーハンコックのファーストアルバムは
スイカを前にこうして産まれた。



ここまで書いてきたけれど

スマホメモに残ってた
扇橋さんの俳句から
何か広がらないかと書いてはみたけれど
どこにも行けないオチもつかない
まとまらない。


私の指はスマホ画面で行き詰まる。

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