1秒先の未来が見える話

皆様、初めまして。
下り坂で自転車のブレーキが利かなくなって、
そのまま交差点に飛び出してしまいそうな時、
なんとかハンドルを切ったけども、
その勢いのまま電柱に突っ込みそうになった刹那、
何故かまるで電柱をそのまま透過して貫通した記憶しかない青西瓜です。

早速、
不思議体験から始まりましたが、これはまあどうでもいい話です。
今にも無になりそうな綿飴くらい小さな話です。
そんな綿飴はアリの巣に詰め込んでやりましょう。
アリの巣に詰め込んだ上で、ちょっとだけ水を垂らして樹液みたいにして、
最後にカブトムシでも巣の穴に突っ込んでおきましょう。
僕からのサプライズです。

そんなインテリジェンスの欠片、青西瓜には特技があります。
それはあんまり意識していない時限定で1秒先の未来が1日1回見えます。
33歳にもなって未来が見えるだなんて、
とんだ中二病ですが、これはマジです。マジで見えます。

ただし『あんまり意識していない時限定』です。
「未来を見て得しようとしてやるぜ、うっへっへ」みたいなテンションだと
全く見えませんし、何なら間違った未来が見えます。
否、もっと言うなら自分の都合がいい妄想が見えます。

総じてただの妄想癖の烙印を押されそうなので、実例を紹介しましょう。
ダラッとテレビを見ていると、不意に
お馴染みみたいなツラした元気な”ジャンケンタイム”に遭遇することって
ありますよね。

そんな時にこの1秒先の未来が見える能力を使うと、100%勝てます。

ただここで重要なことは意識したらダメということです。
「よーしっ! 今日のジャンケンタイムは僕が勝つぞー!」
と、いつもはシケた量のウンコくらい細々としているのに、
相撲大会ということで一段ギアを上げたカブトムシみたいな状態になる
と、
1秒先の未来は見えなくなります。

だから基本的に日常のジャンケンでは使えません。
もう日常的にジャンケンするボーイ&ボーイの年齢でもないですが、
ジャンケンをしたところで使えません。
余談ですが、タイミングがドンピシャで合わないと使えない、つまり、
ジャンケンの手が出るタイミングが分かっていないと見えませんので、
そもそも対人にもタイ人にも使えません。
でもロボのフィリピン人ならいけるかも。ロボだから。

さて、
総じて使えない能力を紹介する目的不明の中二病と化した文章ですが、
実はこの能力、便利な”自動発動”という機能があるんです。
本当にヤバイ時は自動発動します。

簡単に説明すると、
歩道を自転車で走っている時、
横の脇道は閑静な住宅街で、
車が飛び出してくることも今まで一度も無かったので、
いつも通り止まらず、突っ走ってたら、
「あっ、ここで止まらないと車に轢かれるなぁ」
と自動発動したので、止まると、
その唯一、一回だけ、脇道から猛スピードのダンプカーが止まらず、
出てきたことがあります。

もうお分かりですね。
そのダンプカーは”止まれ”で止まらなかったので、違反しています。
まあ僕の能力については別にいいとして、
僕の不思議体験はこんなもんです。

後はもうカブトムシ用のゼリーを親戚の家で食べたことあるけども、
特に味の記憶は無いくらいですね、僕の不思議体験は。

……おっと、最後に一言、さすがに言わなければなりませんね。
自転車なのに歩道を走っている僕も違反していますね。
申し訳御座いませんでした。