おろしニンニクとおろしショウガの漫才

大蒜:おろしニンニクです。
ショ:おろしショウガです。
2人:よろしくお願いします。
大蒜:俺たち笑いどころになると股間あたりから、それぞれ
   おろしニンニクとおろしショウガが出る漫才師なんですけども。
ショ:ちょっとちょっとぉ!
   そう言いながら股間あたりからおろしニンニク出さないでよ!
   フリも笑いどころなんて舐めたこと言わないでよ!
大蒜:いいじゃん。
ショ:いやじんわり股間あたりからおろしニンニク出さないで!
大蒜:尿もれみたいな。
ショ:そう言ったら高速でピュッと出た!
大蒜:いやショもさ、高速でピュッと、と言ったら出し始めたじゃん。
ショ:ピュッって何でも面白いからねぇ。
大蒜:そうでもないわ、擬音の中でも最底辺だわ。
ショ:いやいやピュッはもう陽キャの爆笑擬音だから!
大蒜:陽キャがまず面白くないから。
ショ:……いや! おろしニンニク出しなよ!
   何ガチの陽キャ批判になっているんだ! 面白として言いなよ!
大蒜:いや俺は陽キャ批判をギャグにしたくない。
   代弁者としていきたい。
ショ:誰のだ! 陰キャのっ? 陰キャの代弁者ということっ?
大蒜:神様。
ショ:神様って陽キャ嫌いなんだ!
大蒜:こんな地球にする予定は無かった、と、申しております。
ショ:いや! おろしニンニクを出すんだってば!
   何マジで神様とか言ってるんだよ! それはもう宗教じゃん!
大蒜:俺は神様の言う通りに歩むだけだ。
ショ:おろしニンニク出せぇ! 股間あたりからおろしニンニク出せぇ!
   マジの宗教の人じゃん! ボケとして言ってよ!
大蒜:というわけで、ショってさ、最近悩み事無い?
   何でも聞いてあげるよ。
ショ:いや宗教勧誘の始まりじゃん! おろしニンニクを出せって!
大蒜:まあ悩みが無いことが悩みとか? ハハッ。
ショ:おろしニンニクをこんなことで出すなぁっ!
   大人特有の面白くない会話で、おろしニンニク出すな!
大蒜:俺の最近の悩みはね、おろしニンニクが勢い良く出なくなったこと。
ショ:それは本来、日常生活ではいいことだろ!
大蒜:でもその悩みも全部解決するパーティがあるんだ。
   一緒に行こうよ。簡単、簡単、ゼミみたいなもんだから。
ショ:おろしニンニクを出してよ! お願いだからおろしニンニク出して!
   餃子! 餃子パーティしたいから!
   というか餃子パーティなら行く!
大蒜:食べ物、出して、いいのかい? ニヤリ。
ショ:いやめっちゃ怖い!
   食べ物出すのはやっぱり股間あたりだけにして!
大蒜:まあ、という嘘なんだけどもね、嘘嘘。
ショ:いや今めちゃくちゃ股間あたりからおろしニンニク出てきた!
   えっ? 嘘が冗談ということっ? つまりさっきのがマジでぇっ?
   もう分かんない! どっちがマジでどっちが嘘か分からない!
大蒜:まあ股間あたりから、
   おろしニンニクが出るということも虚構の漫才だけどね。
ショ:そんなことは言わなくていいから!
大蒜:後ろで音声を出すように、スタッフさんが遠隔操作して、
   俺とショの股間あたりから、
   おろしニンニクとおろしショウガを出しているんだよな。
ショ:そんなガチのネタ晴らし止めてよ!
大蒜:キングオブコントのザ・マミィみたいに、
   K-PROの社長が出してくれています。
ショ:すごい嘘ついたし、めちゃくちゃおろしニンニク出てきた!
   何かこのタイミングで出すと、
   「そうです、そうです」と返事してるみたいになっちゃう!
   全然K-PROの社長じゃないですからね!
大蒜:まあネタ晴らしもしたところで、
   皆様安心して俺たちの漫才を見ることが
   できるようになったんじゃないんですかね。
ショ:そういう部分はファンタジーでもいいと思うんだけどなぁ。
大蒜:いや今やお笑いって裏の部分を見せてこそだから。
ショ:何かそういった令和のノリって好きじゃないんだけどもなぁ。
大蒜:いやでもそうやって信頼感を得て、
   一緒に全ての悩みが無くなるパーティへ一緒に行こう。
ショ:そんな裏の顔は見せなくていいんだって!
   宗教勧誘の顔は見せないでよ!
大蒜:でも芸能界ってそういうところだからさ。
ショ:どこの世界でもあるの! 特別芸能界だけじゃないから!
大蒜:股間あたりからおろしニンニク出す漫才師も、
   ズブズブの芸能界だから。
ショ:全然末端の末端だよ! 全然まだ芸能界じゃないよ!
大蒜:……というかオマエもあんまりおろしショウガ出してないじゃん。
ショ:だって僕、ツッコミだもん。
大蒜:いや俺はさ、笑いを足すようなツッコミのほうがいいと思う。
ショ:急に僕にダメ出ししないでよ、それよりまず自分のボケを鍛えなよ。
大蒜:って、俺の作った漫才の台本で言ってますわぁ。
ショ:ちょっとぉ! だからそういう裏側のノリ止めなって!
大蒜:いやいやこういうの喜ぶから、お客さんは喜ぶから。
ショ:全然喜ばないって! 現にあんまりウケてな……あれ、
   ちょっと大蒜、股間あたりからおろしニンニク、じわじわ出てない?
大蒜:まあジワるというヤツかな。
ショ:いやクイッと舞台袖に目配せして合図を出すんじゃないよ。
   ここはそれに反比例して、いっぱい出せじゃないんだよ。
大蒜:……あれ、ジワジワのままだ、おーい、K-PROの社長。
ショ:K-PROの社長ではないけどね。
大蒜:……アイツ! また途中で帰りやがった!
   バレないように、ジワジワ出るのボタンを押してから帰りやがった!
ショ:えっ、また帰ったのっ? 本当プロ意識無いなぁ!
大蒜:くそっ! 俺たちは全然笑いどころのない漫才師なんだから、
   ジワジワ出るにするんじゃねぇよ!
ショ:それはそれで問題だけどね!
大蒜:ダメだ! もう終わるしかない! どうもありがとうございました!
ショ:いやスタッフに帰られることが終わりの合図の漫才師って何だよ!
(と、言い終えたと同時に1回だけ2人から高速のピュッ、が、出る)

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