その道の権威のお方と旅行してみた

僕の親戚にはその道の権威のお方がいます。
あまり詳しく書けないですし、どの道かも言えませんが、
簡単に説明すると政治家が伺いに来るくらいの権威です。

年齢は90歳近いのですが、
一緒に旅行した2018年はまだまだ現役バリバリで、
毎日のように県の中央へ出掛けていたようです。

その親戚のお方、
まあ仮名ですが、村上おじさんと呼びましょうか、
村上おじさんと秋に近くの寺と山を巡った話です。

まず寺の駐車場に着き、メインの場所まで歩いていくとなった時です。

「あらヤだ! 村上さぁん!」

という大きな声が聞こえました。
何だろうと思っていると、
軽トラックの助手席に乗っていた女性が
村上おじさんに話し掛けていました。

僕はこういう時、村上おじさんは大変だろうな、と思いました。
何故なら村上おじさんは有名人、
対するその女性は一度会ったくらいの人の可能性もある。
そんな人のこと、僕だったら覚えてられないだろうと思っていたのですが、
村上おじさんは『あの時のあのお方ですね』と会話が弾んでいました。

90歳近いのに、記憶力がすごいと思いました。
そもそも一緒に寺へ続く若干の山道を歩いていることもすごいんですが、
村上おじさんは一人で畑も耕していて、足腰が丈夫。
毎日散歩もして、近所の方々と会話することが日課らしいです。

やっぱり歩くことによって、全てのことが付随するというか。
歩くから人と出会う。
そこで喋ることにより、また脳を活性化させるのかな、と。

……まあ当時は現役バリバリで、会議とかにも出ていたらしいので、
今さっきの歩く話はまた別の話かもしれませんが。
すみません、
2022年の情報と2018年の情報がごっちゃになっています。
僕の脳はもう終わりが近いようです。
散歩は2022年の情報でした。

話を戻します。
クイっとね。

……こういう「クイっとね」とか書いちゃうヤツはアレだと思います。

さて、
歩く速度は村上おじさんが一番速いわけですが、
(僕と僕の両親と村上おじさんで歩いています)
僕はもう結構息が上がっています。
やっぱり運動ってしたほうがいいですよね。
お手洗いで踏ん張っただけで、全身筋肉痛になってる場合じゃない。

村上おじさんから寺の話を聞きながら、
なんとか寺の麓まで着きました。
でも最後に長い階段が。

僕は頂上でソフトクリーム売ってなきゃやってらんないぜ、
と思いながら、頑張って上っていたんですが、
村上おじさんはスイスイ上っていきます。

もうただただ「すごいなぁ」と思いながら見上げると、
階段の頂上で違和感を発見しました。

なんと、烏天狗のコスプレをしている人が写真撮影をしていたのです。
寺で烏天狗のコスプレしている人っているんだ、と思いながら見ていると、
その人に村上おじさんが話し掛けたのです。
えっ? 知り合い?
もしかするとマジの烏天狗で昔からの知り合い?

でも違ったんです。
村上おじさんは何をしているか気になって話し掛けたんです。

村上おじさんは僕と会う度にこう仰います。
「人と会話しなさい」
それは村上おじさんの人生の秘訣です。

ちなみに僕は全然できていません。
今はコロナ禍だからと言い訳しています。

それ以降も村上おじさんは率先して人に話し掛けていきます。
寺を見終えて、山へ行った時も、
絵を描きながら談笑している二人組にも話し掛けていました。

今はコロナ禍ということもありますが、
僕にはやっぱりそんなことできないなぁ、と思いました。

でもそうやっていろんな人に話し掛けて、
見聞を広めることって大切なことなんだと思います。

僕は店員さんがマックスです。
売り場を聞くことがマックスです。

2022年、
村上おじさんは面と向かって喋るだけじゃなくて、
リモートでも、そして
文字でコミュニケーションを図ることでも良いと仰っていました。
とにかく人と関わること、それが大切だそうです。

……めっちゃ僕の苦手分野ですね。
だから仰って下さるんだろうけども。