お題、ボードゲーム2本目

タイトル【ディベート・スゴロク】

【ディベート・スゴロク】

サイコロを振る、マスを進めるなどは普通のスゴロクと同じですが、
このスゴロクのイベントマスには『1マス進む』や『1回休み』などが
書かれていません。イベントのタイトルが書かれているだけです。
また、
駒がプレーヤーごとに異なります……と、
言葉だけで説明していても退屈なので、例を。

屋久「俺はヤンキーの駒を使うぜ」
ボー「僕はこのボンボン坊ちゃまを使うよ」
とあ「私は読者モデルをやっている女の子を使うから」

イベントマス『運動会』
イベントマスは運動会と書かれているだけ。
何が起こるかはディベートによって決まります。
当然、自分が得するマスにしたほうがあとあと有利ですが、
あまりにも突拍子の無いことだとディベートで不利になるので程々に。

屋久「俺はヤンキーだから運動会とか参加しねぇよ、1回休みでいいわ」

いやちょっと屋久くん、
有利になることを吹っ掛けないとゲームにならないよ。

とあ「異議あり! ヤンキーは運動神経抜群だから参加してMVP!」
ボー「そうだよ、ヤンキーのいる応援合戦は最高に盛り上がるしさぁ」
屋久「そ、そっか、ワリィな……」

いやいやいや! 他のメンバーは足を引っ張らないといけないんだよ!

とあ「私も運動会マスね、読者モデルは紫外線が天敵だから参加しない。
   するとクラスメイトから協調性が無いとイジめられるから、
   学校2週間休みねっ」

いやだから! 有利なことを吹っ掛けるんだよ!

屋久「いや違ぇだろ、読者モデルは顔売る商売なんだから顔見せるだろ。
   そうしたら父兄たちや女性陣も盛り上がって最高に楽しくなるから」
ボー「そうそう、絶対そう。バズって所持金+1万円とかでいいよ」
とあ「ありがとう……」

そうじゃなくて! 何で論破しているんだ!
逆論破しなくていいんだよ!

ボー「ボンボンは足が遅くて足を引っ張った結果、イジメられる……」
屋久「そういう争うだけの運動会なんて旧時代的だな!」
とあ「そんなことないって! 走る以外のところで活躍できるって!」
ボー「ありがとう、みんな!」

間髪入れず! もう間髪入れずでキタ!
ちょっと! 全然ディベートになっていないよ!
せめてディベートしようよ! 結構論破されるのが早いんだよ!

屋久「でも人のご厚意を無下にしたらダメだろ」
ボー「そういうところを失ったらダメだと思う」
とあ「仲間の助言は大切にしなきゃダメでしょ」

ちょっと!
これは【ディベート・スゴロク】を売り出すための動画撮影なんだから!
もっと面白い感じに殺伐としてよ!

屋久「何かさぁ……そういうの旧時代的で古くね?」
ボー「そうだよ、もっとポジティブなモノのほうがいいよ」
とあ「そうだ、
   ネガティブなことを吹っ掛けて、それを論破するゲームにしたら?
   つまり今、私たちがやっているような、こと!」
屋久・ボー「それだ!」

う~ん、まあ確かにそれはそれでゲームになっているけども……ちょっと、
社長に連絡してみますね……LINE……じゃなくて、
社長は電話しか受け取らないんだった、えっと……はい、高橋です。
ちょっとディベート・スゴロクについてお話ししたいのですが、
はい、はい、はい、あの、ちょっといいですかね、はい……はい、はい、
説明してもよろしいですか? えっ、あぁ……はい、はい、分かりました。

とあ「どうだった?」

やっぱりダメですよ、話すらさせてくれない。
それどころからキレられてしまって、もう全然。

屋久「旧時代過ぎるだろ、オマエの会社」
ボー「う~ん……」
とあ「そんなぁ……」

社長はワンマンでやって来た人ですから、
我々の意見なんて聞かないですよ。

とあ「パパはそんな人じゃないんだけどなぁ……」
屋久・ボー「えっ?」
とあ「あっ!」
屋久「オマエの父ちゃん、コイツの会社の社長なのかよ!」
ボー「そうだったんだ!」
とあ「えっと、まあ、うん、そうなんだぁ……権力あるからさ、
   だから私も小学五年生から読者モデルできているんだよねぇ……」

いや、でもお嬢さんに言ってもらうなんて、そんなことは反則ですから。

屋久「いや使えるもんは何でも使おうぜ」
ボー「そうだよ! それこそディベート・スゴロクだと思う!」
とあ「そう! そう! 私と貴方で論破しましょう! パパを!」

そんなことしていいのかな……。

屋久「内部から壊すことがトレンドだろ!」
ボー「僕も応援しているよ! 応援!」
とあ「一緒に電話しましょう! ささっ!」


・(そして)

上手くいった!

屋久「やったぜ!」
ボー「わーい!」
とあ「パパ大好きなんだから!」

【ディベート・スゴロク】は世界一幸せなディベート・ボードゲームです。



ボー「まっ、僕の応援あっての、かな?
   なんせ、僕のパパがあの会社の株主だからねっ」