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高校生のための化学熱力学

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記事一覧

熱と内部エネルギー

定積条件における熱 密閉容器内の変化のように,系の体積が変化できない場合,系は外界に仕事…

等温不可逆過程

等温操作から始めよう 前回は,おもりをピストンの上に置くことで,大気圧を表現しました。平…

おもりと気体の力学の疑問点?

 前回,ピストンに作用する大気圧をおもりに置き換えました。その際,おもりがピストンを押す…

定圧条件での膨張仕事

気体が外界に仕事をする,とはどういう意味か? 気体を発生する化学反応の例は多くあります。…

熱力学第1法則

前回のふりかえり 前回は「エネルギーとは保存するように作られた量である」という話をしまし…

エネルギー的世界観

 化学熱力学は原子・分子ではなくエネルギーから見た物質についての学問です。今日はエネルギ…

系と外界,系の種類

まずは基礎イメージの準備から 熱力学のわかりにくさは,概念をイメージしにくいところにあると思います。理科では普通,主な関心が「分子・原子はどうなっているのか?」というミクロな世界に向かっています。ところが熱力学は分子・原子の存在が完全には信じられていない時代に作られました。そのため,実際に実験を行う際にどのような容器や装置を使って測定するか,といったマクロなイメージを持つことの方が大切ではないか,と思うのです。以下では,熱力学で基礎となる3つの概念とそのイメージを準備します。

化学エネルギー

 まず,エンタルピーはエネルギーとは別の何か,と考えるのはやめましょう。結論から言うと、…

新課程の高校化学で熱化学方程式が廃止されました

 高校理科の学習指導要領が変わりました。いわゆる新課程です。化学分野で特に大きな変化は,…