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雀の旅籠

(前回までのあらすじ)
仕事が続かない男、太助はとうとう人間街道を外れ、あやかしの飯屋に務めることになる。
ところかこれが存外居心地がいい。
雀の妖怪だという女将もよくしてくれ「俺はここでやっていこう」と人に雇われて居たときよりむしろ力を出していた太助だったが、ある日女将が消え、客を捌ききれなくなってしまい、飯屋を逃げ出してしまう。
そこに通りかかった非番の職場の先輩が話を聞いてくれ、飯屋へ来てこう言った。
「すまねえなお客さん、女将さん二度目のおめでたが来ちまった!今日は祝いだ」
「あやかしだなんだと言ったって、違う種族のことだ、詳しいことはわかんねえさ。それにおめでたいんじゃ文句の言いようもねえよ。あとで誤診だったとでもなんとでも言おう」
ところが客の一人が、何人生まれるか、男か女か賭けようと言い出した。
そのせいで広い飯屋は大変な騒ぎ。
太助はどうにかあやかしに喰われずにことを済ませられるのか。

【続く】

#逆噴射プラクティス   #逆噴射小説大賞

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