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燃えるようなコロナを呑め

今日も私はコロナを求めて筆を運ぶ。
ひと月に1ダースのコロナだけが投下されるここは、ノーツ。

コロナ無くばジェネレーターは動かず、コロニーは凍えて死ぬ。
コロナを得る資格は、ただテキストの出来だけで判断される。
審判するのは天上の不死者たちだ。

コロナ・エナジィが発見されてすぐ、独占のための戦争が始まった。
不死者たちはその戦争の勝者だ。
エネジィを飲み干し、文字通り不老不死となった「死に難きものども」は今は天上にあり、娯楽として定命者の妄想を集めている。

皮肉な話だ。ヤツラは死と同時に空想力を失ったという。
定命者のどんな話でも腹が捩れるほど笑うというのに、一体文芸の何が分かる?
それに、どんな優れたテキストを書こうと、コロナはコロニーのために使われ、作家がそれを口にすることはないのだ。
ファックオフ。コロニーの連中が凍えようと知ったことか。
どんな手を使っても私は不死者になって見せる。

【続く】

#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞

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