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書散裸#31 10代の軌跡 16歳編

いよいよ舞台は高校編へ。
激動の時代と呼んでいい。
とにかく価値観をひっくり返される日々の記録である。


男子校に入学

埼玉県川越市にある某男子校に進学する。
率直な最初の感想は「猿山」
これまで公立小中で培われてきた常識は通用しない。良くも悪くも通用しないのだ。
入学式、中学から付属の高校に上がる連中、現役の付属中学生、騒音が半端じゃない。騒音といって差し支えないと思う。整列中に静かにする、とかない。マジで好きに喋ってる。自分たちが公立教育で嫌というほど服従させられ内面化されてきた権力や秩序的なものを感じない、まさにカオスだった。笑いの種にしながらも、どこかそこには憧れがあった。
だが中学組と高校組が同じ気持ちになる瞬間があった。入学式の集会で発表された新しい保健室教諭、その二人がどちらも若い女性だったのだ。唸るような歓声。
男子校という異性愛を前提とした社会からすっかり抜け落ちたゲヘナにおいて、それは希望の光だったのだろう。
同性愛など、愛のカタチにおける多様性を考える傾向のなかで、やはり男子校というのは少し浮いた存在であると思うけれど、裏を返せば【性的なもの】における多様性に目をつむれば、男子校はかなり多様性を認める土壌が育まれていたように思う。
というのも、みんな変だった。本当に、変だった。
お笑いにおけるボケとツッコミってやつは、ある規範があって、そこからずらす作業とより戻す作業によって笑いが生まれるものだと、簡単に言えば自分はこう解釈しているのだが、男子校はボケとツッコミみたいな概念がかなり希薄だった。
規範がないのである。
多様性が認められる、というよりは自然にそこにあった。認める認めないとかではなく、ただ自然にそこに在った。

自分の思想や今の人格に多大なる影響を及ぼした男子校編の開幕である。
とはいえ、男子校についてはかなり色々書けてしまうので、割愛する。
トークとして一気に消費するのが勿体ないから。
だが、大きく自分に影響を与えたものは書かなきゃ趣旨とぶれるので書こう。

勉強を頑張ってみる

高校に入学して、中学までの自分の勉強への不完全燃焼から、勉強に力を入れようと考えるようになった。
入ったクラスは非選抜、3クラスあるなかで賢いクラスではなかったのだが、定期考査や模試は関係なく比較される。
ちょっと頑張ってみると、受験の反動で皆が頑張らなかったのか、意外と成績が簡単に取れた。
クラスは1位だったし、学年でも一桁。模試は3位。
それが良くなかった。勘違いし始めたのだ。
上の大学にいくには、学校の既存のペースじゃダメだ、自分でやらなきゃ、こうして自称進学校における学歴厨を内面化していく。
結果的に、高校時代のお小遣いを参考書や問題集につぎ込むものの、そのすべてをやるようなことはもちろんできない。中途半端の出来上がり。
ここは後悔している。もう一回やり直したいが、そうもいかない。
今後に活かすしかない。現段階では大学院受験を考えているので、そこで実直にやってリベンジしよう。

自転車競技部に入部

この高校を受験した理由の一つに、自転車競技部があることが大きかった。自転車競技、ロードレース(ロードバイクで走る、ツールドフランスなど)やケイリンをやるなどするスポーツ。
工業高校か大学付属校とか、埼玉県には極端な学校にしかなかった。
前に書いた、弱虫ペダルの影響でずっとやりたかったロードレースに参加する機会を経た。
感覚でいうとマラソン大会に近いのだが、スピード感や距離などより速く激しいものになっていた。

高校1年生は部活と勉強をずっとしていた。一時期朝マックでバイトをしていた。めっちゃ寝坊してクビ寸前になったので飛んだ。カス。
朝マック→学校→部活→自習→帰宅
このサイクル。ほぼ遊んでない。でもそれで楽しかった。
一年の途中で勉強を見失わなければ少し結果も違ったと思うが、CCCや長大の人々とは出会えていなかっただろう。
過去は振り返りつつも、それは今の行動に活かすために必要なものを拾おう。
個別具体の男子校エピソードを書かないと短くなっちゃうけど、書きすぎると長くなるのでこの辺で。


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