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車と音楽

 毎度些末な私事で恐縮だが、週末車の点検に行ったら複数のオイル漏れが見つかった。あとどれ位乗る予定ですかとスタッフに訊かれ、修理見積を見てう~んと唸ってしまった。前回同様20万キロは行きたいと思っていたが、もうじきタイヤの交換もあるし、そろそろ潮時なのかもしれない。以前も車検時に大きな修理が見つかって、新車は間に合わずに(元々買えなかったのだが)中古車に乗り継いだ。その場で貰った中古車のチラシを見てからふと顔を上げると、同じ型の車が展示されている。モデルチェンジ前の最後の1台とのことで、一応新車なのにチラシの中古車と大差ないプライス。内装も明るい配色で好みだ。子供たちも成人したし、不要になった保険を解約してその分を月々の支払いに充てれば…。さて、悩ましい。どうする、aosagi ?
 もし車を変えるとなると、次に悩ましいのが音源だ。中高生の頃と違って、今はもっぱら車の中が私の音楽タイムになっている。昔はカセットやCD、今の車はCDからデータを取り込む方式だが、最新の車にCDプレーヤーはない。まっさらな新車オーダーなら話は別だが、いつも出来合いの?車に乗るので、こちらが車に合わせるようになる。今の人たちはブルートゥースやWi-fiで繋ぐのだろうけど、昭和世代としては、やはりスマホからではなく、音源をオーディオに直接取り込みたい。多分USBはあるから、コンパクトなUSBメモリに好きな音楽をめいっぱい詰め込むか。
 東京にいた頃、車は持っていなかったけれど、一時期会社の車は運転した。東京の街は、電車で移動するのと車とでは見え方が全く違う。学生の頃、銀座は地下鉄の駅を降りて地上に出れば着ける街で、それが有楽町から地続きで山手線の外側にあることに気付いた時はびっくりしたし、いつも歩いて渡っている渋谷の交差点を初めて運転席から眺めたときは新鮮だった。電車では駅ごとに一つ一つ独立した点である街が、車で走ることで位置関係が分かり、有機的に繋がる感じ。意外と電車がデジタルで、車の方がアナログなのかもしれない。
 子供の頃、実家には農作業用の車しかなかったけれど、一度だけ父が中古のコロナ(車名です!)を知り合いから買ってきたことがある。ずんぐりしたデザインで年季の入った車だったが、子供心に乗用車であることがうれしかった。今は無き8トラックのデッキが付いていたものの、数本あるカセットはすべて演歌だった。初めてのドライブは、あれを聴きながら行ったんだっけなあ?

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