劇場アニメ『ルックバック』感想
※この記事はネタバレを多く含みます。未視聴・未読の方はブラウザバック推奨です。
※感想+自分語りなので読むことで得れるメリットはないです。
ジャンププラスに、『ルックバック』が投稿された日を覚えている。藤本タツキの作品はチェンソーマンしか読んでいなかったけれど、基本なんでも読むからすぐに読んだ。
衝撃を受けた。すごく衝撃を受けたことだけを覚えている。あと多分泣いていた。
本当は、劇場アニメ版をみるつもりはなかった。数年前のことだけれどなんとなく良い思いをした記憶がなかったからである。好きだけど、見たくない。気になるけれど、見たくない。そんな感じだった。
結局見た。記憶の限り感想を言っていこうと思う。個人の意見だし、読んでも面白くないだろうけれど書き連ねていく。
まず作画について。光の入り方がすごく印象的だった。影を足すのではなくて、光を足して描かれているように感じた。厚塗りじゃないのに、それによって厚塗り感というか、よりリアルさが増していた。アニメらしい表現もありながら映画的な表現もある。本当に藤本タツキ作品って感じだった。
小学生のころって、褒められると自分がすごいんだって思ってしまう。井の中の蛙になって、自分が一番なんだって思う。藤野は大人からも褒められてクラスメイトからも褒められて、調子に乗っていた。確実に、調子に乗っていた。実際面白いし。絵のうまさというより、漫画が上手いんだよ、藤野は。京本の画力に衝撃を受けて、自分より上手い小学四年生がいてたまるかと必死に努力する。この時点で泣きそうになっていた。わかるなあ。
私は小学四年生か五年生か、はたまた三年生か、詳しいことは覚えてないけれど四コマ漫画を描いていた。字も汚いし自分が面白いと思ったことを描いていた。それを友達が読んで、面白いって言ってくれるのがすごく好きだったし嬉しかった。新聞係をやって、クラス新聞を作っていたこともある。中学の頃も新聞を作っていたっけな。小学校で絵を描いてる人って少なくて、基準が低いからある程度で上手いって言われる。でも、その中でも自分より上手い人は確実にいるわけで。私より面白い四コマを描いて人気のあるクラスメイトがいて、悔しかったのを覚えている。悔しいけど面白いしセンスもあって、ひたすらに悔しかったけれど同じ土俵に立たないようにしていたと思う。こういう他の人のほうが絵が上手いっていうのは年齢があがればあがるほどあったから、割愛。今ほど真剣に絵を描いてなかったから、そこまでダメージはなかったような 気がする。
いくらがんばっても届かないって気づいたときの絶望たるや。わかるよ。自分より上手い人は、自分の何倍も頑張ってるんだよな。だから上手い。自分の努力が足りないんじゃなくて、その倍やってるだけなんだよなあ。
自分が負けたと思ってた相手に認められてて、しかもファンだなんて言ってくれるとか、私だったらその場で喜んじゃうだろうな。いや、意外とスカすかもしれない。全力スキップで家まで帰るところで泣きそうになったし、びちゃびちゃなのを気にせず机に向かってたところで泣きそうになった。
勉強しないでひたすら描いてたっぽいけれど、まあ勉強はしたほうがいい。創作の幅が広がるから。私はそれもあって勉強はしてた。全体的にプライドが高いので、テストでも良い点を取らないと気がすまなかった。唯一体育だけは諦めていた。
二人がコンビを解消してもお互い描き続けていたし、お互いに思い合っていただろうことを考えるとすごくつらい。死んだのは自分のせいじゃないのに自分のせいだと思ってしまうところ、特に辛かった。この時点でぽろぽろ泣いていた。
引きこもりのままだった京本。あれはイフの世界なんだろうか。イフの世界とたまたまつながったんだろうなって思っているよ、私は。多分いろいろな考察があるだろうけど、まだ見てない。見ない状態で書いておきたいなと思ったから。知は不可逆だからね。
私は絵を本気でうまくなるぞと決意してからたくさん描いて練習して頑張ったから(※個人差があります)、ひたむきに努力する姿している姿だけで泣いた。作中ずっと泣けるんだけど、言語化が難しい。別に共感性が高いわけじゃないんだけど、泣いちゃう。なんで? 時間をかけたら言語化出来るだろうけど眠すぎるからやめておく。言語化しないことでこの気持ちやつらさをぼやけたままにすることが出来るし。
ルックバックは面白いとかじゃなくて、すごく心にくる作品だと思ってるんだけど、世の評価はどうなんだろう。絵描きかそうじゃないかで大きく評価や見方が変わる作品。心に来るから数年は見たくない。そしたら全て忘れてるからまたたくさん泣いちゃうじゃんね。良い作品だけどつらいよ。思い出したらまた泣けてきたな。それでも描き続ける...…
このままだとだらだら創作について書いてしまうだろうから、切り上げます。
ありがとうございました。
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