劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』感想
※絶賛する感想ではないため、称賛しか見たくない人は見ないでください。
※この記事は大いにネタバレを含みます。
結論から言うと、微妙だった。そもそも、期待値が高すぎた。
公開数日前に、公式PVを見た。
これ。キッド様はかっこいいし、土方さんもいるし、刀はかっこいいし。すごくすごく期待していた。去年が黒の組織に関わっていて、期待以上に面白かったからだ。
Twitterを見ていてラストの衝撃事実のネタバレを食らってしまった状態&「六割ゴールデンカムイだった」という感想を見ての観覧だった。
これね。
6割ゴールデンカムイは、土方さんが出てたりするのと五稜郭が出てくるからかな~と思っていた。ら、金塊的な、隠された宝物的なものが出てきて、納得した。だからといってゴールデンカムイというのはあまりに短絡的ではないだろうか。Twitterにいるオタクは〇〇に似てる、やら実質〇〇とかが本当に好きだから、仕方がないと言えばそうだけど。
すみっコぐらしの映画のときも、実質型月とかの感想が多くて本当に嫌になったのを鮮明に覚えている。
刀剣乱舞要素もあったとか言ってる人もいて、ちょっと怖かった。オタクには、新規の作品を今まで見たことのある好きな作品の要素でしか見れないのかと思った。新しい作品を、既存作品で例えるのはやめてほしいけど、多分その文化が廃れることはない。オタクはそういうものだから。
事前に言っておくと、私は物心ついたときからコナンが好きなオタクである。今回の映画は『筋金入りのファンは面白いっていうけど、それ以外にはよくわからないでしょ笑』みたいなのをよく見かけた。それなりに設定も知っているし、筋金入りのガチファンではないにしろ、にわかではない。
映画を見終わったあと、なんだかずっともやもやしていて、終わったあとの「面白かった~!」みたいなのがなかった。消化不良の感覚。
理由は3つ考えられる。まず、内容がミステリーサスペンスではなく謎解きだったこと。次にアクション要素も中途半端だったこと。最後にコナン映画ではなく青山作品映画だったことだ。
まず1つ目について。私はコナンのことを人がコロされるミステリー漫画だと思っている。だのに、今回の映画はラブコメメイン・謎解きメインだった。近年の映画は、死亡者が少ないものが増えてきているように感じるが、それにしてもだった。謎解きとしても程度の低いものだと、個人的には感じた。あまりに簡単すぎる。だがラブコメ要素は多い。
ラブコメも中途半端だったように感じる。告白するなら成功させればいいし、紅葉が告白の邪魔をするならもっと直接的に邪魔する描写でもよかったのではないか。奇跡的に妨害は出来たけれど、あれでちょっとでも座標がズレてたら告白成功してたし。ツメが甘い。
2つ目。アクション描写について。コナンの映画はアクションを楽しみにしてる人も多い。私もアクションはとても好きだし、コナン映画のアクションも楽しみにしている。
が、今回はあんまりなかった。申し訳程度の爆発。車一台の爆発と、海にロケット? が落下したときの爆発。あと、飛行機の上での刀バトルとロープウェイのロープを走るコナンくん、バイクでのチェイス、くらい? 見てから二日ほど経っているから記憶が曖昧になってきているが、今覚えているのはこのくらい。
もっとこう、五稜郭爆破くらいはしてほしかった。海外であんな色々ぶっ壊してるんだから、北海道でもぶっ壊してくれよ。
飛行機の上での刀バトルは、本当に急にどうしたんだと思った。だって一歩間違えばお陀仏だし。なんであんなところで戦うの? 観覧車のときも思ったけど、失笑するしかない。正気なのか? 彼らは正気なのか? 正気なのか…
最後。登場時キャラクターがあまりにも多すぎる。キッドメインだからまじっく快斗要素が多いし、YAIBAのキャラクターまで出ていた。コナンの映画って、あんまりコナンを知らない人でも楽しめるようにアクションがあったり、面白いミステリーがあるんじゃないの? だから最初に毎回簡単な説明があるんじゃないのか?
今回は履修しないと楽しめない作品が多すぎた。ファン向けすぎる。
最後の衝撃事実、コナンとキッドがいとこ関係だったこと。
そもそも、その事実って映画で発表する必要あったのか。普通に本編漫画でよくないか。この事実のおかげでこの映画は評価されている節があると思う。ストーリーも中だるみしている感じがしたのに、みんな最後が良かったから全部ヨシ! ってなっている。私はならなかったけど。
来年の映画も、わからない人には全く意味のわからない予告だったと思う。来年もファン向けの映画になるのかな。楽しみなんだけどなあ。
コナンでラブコメが全面に出ている映画はあんまり面白くない。個人的にはそう思う。
中にはコナンにラブコメを求めている人もいるだろう。そういう人を否定するつもりもないし、作品に対する感想や思想は自由だ。
冒頭に書いた通り、本当に期待し過ぎだ。期待値と評価の関係は確実にあって、期待値が高ければ高いほど評価は下がりやすい。
よかった点もある。
キッドの変装の多さ、気球のかわいさ、中森警部が被疑者をかばって撃たれるところとか。
総評としては、60点くらい。
今回の映画はすごいごちゃついてたし全部が中途半端で微妙な出来だった。最後の衝撃事実ありきのオチだし。
来年に期待!
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