RADIO FISH『神様Disco』のMVがやっぱりヤバい(褒め言葉)
前の記事でも触れたけれど、新しく公開された『神様Disco』のMVがまぁヤバい。
この曲、もともとは去年の9/25に配信されたアルバムに収録された曲なのだけれど、そもそもアルバムがリリースされた時点で「ヤバい曲がある」とファンの間で話題になっていた。
その後ワンマンライブや池袋でのイベント等にて『神様Disco』のパフォーマンスが披露されたわけだが、その時も「ダンスがヤバい」と話題になった。
そして少し間が開いてのMV公開。曲もヤバいしパフォーマンスもヤバかったこの曲のMVもやっぱりヤバくて、ファンが「めちゃくちゃヤバい」とどよめいた。
……いや、「ヤバい」「ヤバい」ばかりで非常に頭の悪そうな文章になっている気がするのだけれど、本当にヤバいとしかいいようがないし、ヤバさのハードルを次々と超えてくるのだ。いい加減書いてる私も「ヤバい」がゲシュタルト崩壊してきた。
今日はそんなMVを勧め……ようとしてオタクが考察という名の妄想を重ねた結果、ただの妄言が連なる長文となった文章を置いておきます。
80'sテイストなイントロとロゴ、そしてイケメン祭り
我ながら頭悪いなこの見出し。
ともかく、オーケストラルヒット(以下オケヒ)でガツンと心を鷲掴みしてくるこの曲のイントロが死ぬほど好きなんですよね。(TWO-MIXで育った人間なので……オケヒめちゃくちゃ弱いの……使われてるとすーぐ好きになっちゃう……。)
そんなイントロに合わせてくるのが80年代を思いっきり意識したこの曲のロゴ。
そもそもオケヒ自体(今使うと)それぐらいの年代を感じさせる音なので、ロゴのデザインがもう100点満点。個人的に「神様」部分のフォントが何というか抜けた感じでめちゃくちゃ好き。2000点あげたい。(謎採点
ロゴ部分は80年代な感じなの、もう1つ理由があるんじゃないかと思っていて、この曲が収録されてるアルバムだと、この曲の前に位置してる曲が“old shool is sexy=古いものは魅力的“というテーマの曲なので、その曲からの繋がりも意識してたり……するのかな……分からんけど……私が勝手にそう思ってるだけかもしれない……。
80年代風デザイン、最近だとMONKEY MAJIKとサンドウィッチマンがコラボした『ウマーベラス』もそんな感じでしたね。
『ウマーベラス』では80年代の雰囲気そのままに進むのだけれど、『神様Disco』ではロゴが終わると一転して雰囲気が変わる。元祖チャラ男ことSHINGO(藤森慎吾)や他のメンバー達、イケメンが次々出てくるわけです。(MVのヤバさはさておき)ファンの皆さんが各メンバーのイケメンっぷりにKOされてました。
この部分、メンバーカラーを利用したカラーフィルターの演出が最高に格好良くて、雰囲気も最高で好きなんですけど、特に両手に花状態で札束風呂に入ってるSHINGOがザ・チャラ男って感じでフフッとなりました。でも格好いいんだよなー! めちゃくちゃ好き。
『5人の戦士と神』とは
MVが公開されてからリリースされたニュースがあるのだが。
この記事の中にある
MVは、5人の戦士と神によるDiscoをテーマに作成されており、
という文章を見たオタクに衝撃が走る。
詳しくは後述しますが、中田敦彦=神というのはファンの中では共通認識である。知らん人からしたら「は?」って感じだと思うんですけどそういうものだと思って流してください。
驚いたのはそこではない。『5人の戦士』の方である。何その設定私知らないぞ。
急にそんなこと言われたら動揺するじゃないですか……もしかして私が知らなかっただけでファンの中では共通認識だった? と思ったけど、
(RADIO FISHをよく知らない人へ:両者ともRADIO FISHのメンバーです)
このツイートを見るに、今回出てきた設定っぽい。なるほど天使か。ずいぶん格好いい天使だな拝まなきゃ。
で、何でそんな話を急にしたのかというと、サビに入ると全員がディスコにいるシーンに移るわけです。周りにいる人たちが踊るわけでもなく、彼らを睨み付けるなか、メンバーたちだけが踊っているのだけれど、そんな周りの様子を気にすることなく堂々と踊っていて、何というか不敵って感じの雰囲気なんですよね。ええ笑顔で踊っているFISHさん最高。
基本的にRADIO FISHのパフォーマンス(特にサビ部分)は、中田敦彦が中心となって、その周りをメンバーが囲む形が多い。この曲もそうなんだけれど、それが今回は『5人の戦士(天使)と神』に見えてくる。
真ん中にどんと構える神と、それぞれが格好良く戦う5人の戦士なんてオタクが好きなやつじゃないですか……。戦ってはないけど。踊ってるけど。いやでも死ぬほど好き。何だその設定最高かありがとう。ゲームなら周りの5人倒さないとボスである中田敦彦にダメージ通らないやつだし脳内で勝手にアニメ化企画が進んでしまうし劇場版マダー?(オタク特有の早口で
いやでも、そんな最高な設定をここまでスタイリッシュな演出に落とし込めるの、本当に凄い。設定を知らなくても普通に格好いいし、設定を知ると更にこのMVの良さが深まる。最高ですね。最高しか言ってねーなこのオタク。
そして「神様Disco」のときのあの振り付け、きっと天使の輪っかなんだなアレは……って今になって気付きました。
神の様子がおかしい、けれど理由があるのかもしれない
RADIO FISHとして活動している時の中田敦彦は“御神体”と呼ばれる。ファンも呼ぶしメンバーも呼ぶ。
そして中田崇め曲も最近は中田敦彦=神という扱いになってきている。以前は凄い=神という意味合いにも取れる感じだったけど、今はもう完全に神様だ。曲によって救世主だったり太陽神だったりするけど、(歌の中で)神様という扱いである事は変わらない。
この曲でも彼は神様だと歌われている。今回はこの地球を作った創造神である。
基本的にRADIO FISHでの中田敦彦は威厳ある佇まいである事が多い。踊ったり歌ったりしてるメンバーの後ろで佇んでいる。そしてときどき一緒に踊る。踊っている姿も堂々としたもので、これぞ御神体だと常々感じる。
だが、今回は様子がおかしいのだ。
サビが終わると中田敦彦の語りパートが入る。
スマホの画面や渋谷の街頭ビジョンに突然映る御神体の姿。……が、表情はずっと変わらず真顔のまま、その首はカクカクと細かく不規則に動いている。そんな中で語り掛けられる内容があまりにも壮大で、それが彼のその姿とミスマッチしているのもあって、何というか無性に胸がぞわぞわする。
……何だ、これは。
この御神体こと中田敦彦の異様な様子が、多分このMVでの一番ヤバいポイントだと思う。初めて見たとき死ぬほどビックリした。少なくとも私の中での御神体のイメージとは異なる姿なのだ。
困惑しながらもMVを見直す。その姿はまるで『もののけ姫』のこだまのようでもあり、起動直後でガクガクと不安定に動いているロボットのようでもある。
で、ふと「この演出は“人ならざるもの”であるという演出なのでは?」と思うなど。
先述したとおり、この曲では中田敦彦=創造神として歌われている。
この語りパートも、
46億年前
私がこの星を創った時に
最も強く願ったことがあります。
というだいぶ壮大な語り出しで始まる。
その言葉はこの星に住まう生物に対しての愛を感じるけれども、決して彼は私達と対等の存在ではない。
神に対する畏怖。それを呼び覚ますための演出……なのかなーとか勝手に想像している。
私はまだ正気を失ってません大丈夫です。
あと、御神体が出てくる直前にスマホの画面や街頭ビジョンには今回のMVのスポンサーとなって頂いた企業の企業名やロゴが出てきます。こういう感じに、違和感なく紛れ込ませて見せる手法死ぬほど好き。思わず各企業をググったよね。
なおこれは豆知識ですが、この語りパート、よく見ると中田敦彦の口が動いてません。この語りはそれぞれの脳内に直接語り掛けられています。(という設定です)
つまり、(こいつ……直接脳内に……!?)ごっこが出来ますやったね。みんなも語りパートになったら心の中で(こいつ……(以下略))って呟こう。
MVはまだ続くんじゃよ、或いはおそらくこれを表現したかったのであろう事
語りパートが終わると再びディスコの場面に戻る。今度は、それまではまるで「お前らとは関係ない」と言わんばかりに睨み付けていた周りの人々も一緒に踊る。
そしてこの曲のダンスで一番ファンをどよめかせた(そして笑わせた)、盆踊りパートに入る。そう、皆さんご存知あの盆踊り。まだMVを見てなくて「は?」ってなった人はまずMVを見てほしい。比喩とかそれっぽい何かとかではなく、マジで盆踊りなのだ。
でもこう……盆踊りなんですけど格好いいんですよね……何でだろうな……キレがいい……低い姿勢での盆踊り……格好いいな……何でだろうな……ディスコで踊ってるからかな……好き……。
カメラ目線の御神体のダンスでフフッてなる。良き。
そして唐突に、いわゆる千手観音ダンスが始まる。途中でヒョコッと顔を出すSHINGOがポイントです。(千手観音ダンスって呼び方でいいのかな……違かったらごめんね……)
それはさておき、ライブでのパフォーマンスでは千手観音ダンスは無かったのに、何でMVでは唐突にこのダンスが入ったんだろう?って考えたのだが。もちろん歌詞に出てくる涅槃って仏教用語なので、そこら辺もあるんだろうなーとは思うけど。
そもそもこの曲の意図は何かというと、この曲をプロデュースしたRIHITO氏が「楽園を作った神や地獄を作った神など様々な神がいて、人や自然もいつか神になるかもしれない、そんな神様同士で踊ってたら平和なのでは」というような事を語っていた(らしい。この曲が発表された後のワンマンライブでの話ですが、私は行けなかったので直接は聞けてません。参加された方々のレポを参考にしました(レポに感謝))。
つまり、数多くいる神(或いはそれに近い存在)の一つを表現するためにこのダンスを入れたのでは、と思ったりするんですよね。パッと見て元ネタ的なのが分かるじゃないですかこのダンス。
そしてそう考えると、盆踊りもまたそういう意味合いがあるような気がしてくるわけで。その由来は諸説あるが、その中の一つに“先祖の弔いのために踊られるもの”という説がある。
つまりあの盆踊りは、死んだあと神となる者たちへの弔い、或いは彼ら視点で言えば歓迎の舞なのかもしれない。
……いや、実際のところは盆踊り大好きFISH BOY氏が入れたがったからという感じらしいので、まさに「作った人そこまで考えてないと思うよ」案件ですが。
あと同時に、上でも語った神への畏怖というか。神々しさに平伏せ、的な感じもあるよね。ここぞとばかりに御神体への崇め度を高めていくスタイル。後ろから後光が差してるし。……何か段々言ってる事が適当になってきてませんか自分。
ともあれ。それまで彼らを受け入れようとしなかったようにも見える周りの人々が、最終的に彼らと同じポーズを取るというこのMVは、この曲をプロデュースしたRIHITOさんが想像した(あるいは理想とする)神の住まう世界を現代風に表現したものなのだろうな、と今は思う。
例えば服装一つとっても、周りの人々はそれぞれ自由な格好をしているけれど、RADIO FISHのメンバーは決められた衣装を着ている。そこには多様性がある。好きな恰好をするという自由、あえて統一された格好をするという自由。けれど、周りの人々から見た彼らは異質な存在に映るだろう。だからこそ、受け入れる素振りもなく、ひたすら睨みつけるだけだ。
それでも。気付けばその異質な存在と一緒に踊っている。そして最終的には同じポーズを取る。そこに争いや諍いは存在しない。
そして同じポーズではあるけれど、よく見ると微妙にズレてたりする。人によっては別物に見えたりもする。けれど、それを修正するでもなく、ありのまま受け入れる(=MVに収録する)。
先に挙げた衣装だって、皆が同じであるという考えなら、全員に同じような衣装を着せるという演出もあったはずだ。せめて色を同じにするとか、それだけでも統一感が出る。例えば皆で踊り出すタイミングで周りの人々の服が黒一色にでもなったら、それだけで洗脳されました感が出る。だけれどもそれをしない。
そこに描かれているのは、様々な存在がいるけれど、それらを否定するでもなく、また強制的に変えさせようとするでもなく、全てがあるがままで存在していいのだという、まさに“涅槃の境地”なのではないだろうか。
そして最後は中田敦彦の手の上に浮かぶ地球のカットで終わる。
歌の中で『奇跡の惑星』と歌われる青い星。
最後のカットがどうして皆一緒にとったあのポーズではなく、地球のカットなのだろう?と考えると、涅槃の境地へと至り平和な世界を迎える舞台となるのは、他のどこでもなく、あるいは死後の世界などでもなく、私達が現実に住まうこの星なのだ。
タンスや演出など、トンチk……奇抜な部分に目が行きがちなMVだけれど、その裏には世界平和への祈りが込められているようにも思う。
「世界平和」と言うのは簡単で、そしてどうにも陳腐になりがちだ。それをとことんまでスタイリッシュに、そしてエンターテイメントとして楽しめるように作られたこのMVは、想像以上に凄いMVなのではないか。
……で。
それでもこの曲は崇め曲なのである。いろいろととっ散らかった事を言ってきたが、根本的には中田敦彦を崇めるための曲だ。
それを踏まえた上でMVの構成を考えると、
5人の戦士と神が登場
↓
周りが睨みつける中、戦士と神が踊る
↓
神の語りが直接脳内に
↓
皆で踊る
この流れ、どう考えても周りの人達が御神体の語りに影響を受けたとしか思えない。
つまり世界平和を導くのは神である中田敦彦である――という話になる。
やっぱりこのMVはヤバいと思う。けれど最高だ。
P.S.
この記事、本当はもっと早く書き上げたかったのだけれど、FGOの最新シナリオ攻略に全力を出したり、そのシナリオが妙にこの曲とマッチしてる気がして勝手にしんどくなってたりしたので時間が掛かりました。
まさかこの曲で情緒が死ぬなんて思わへんやろ。
(5/9 追記)
ひえ……反応を頂いてしまった……ありがとうございます……。
という事なので神様DiscoのMVをよろしくお願いします(雑な勧め方
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