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勿忘雪

ぼくがきみを忘れることは
降り頻る雪が融けて
しばし大地と海に眠った後
そしてまた空へ還ってゆくこと

ぼくという限られた世界から
大空ヘ、この澄んだ大気中へと
そして新しい旅へ
きみが出てゆけるように
雪が見知らぬ街へと
自由に舞い落ちてゆくみたいにさ

ぼくがきみを
忘れるということは
きみをこの宇宙に
還して上げるということ
そしてぼくはただ黙って
降り頻る雪を見ている
融けてゆく雪を見ている

Forget you and forget me
きみを忘れるため
そしてきみと生きた日々の
ぼくを忘れるために
それでも心のどこかで
勿忘(わすれな)雪
心のどこかに勿忘雪

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