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冬のはーばーらいと

冬のはーばーらいとに
けぶる夜霧は
誰かがこぼしたため息か
それとも港を出てゆく
心残りの船の汽笛か

この凍りつく冬の夜に
灯っては消え
消えては灯る港の灯りが
海岸線に沿って
やわらかなカーブを
描いていてきれいです

その明滅に誘われるまま
ずっとついてゆけば
どこか
いとしい人のいる場所へ
導いてでもくれそうです

どれだけ泣いても
かまわないと想える位に
切ない恋のできそうな場所へと
連れていってくれそうです

冬のはーばーらいとに
けぶる夜霧は
誰かがこぼしたため息か
それとも港を出てゆく
心残りの船の汽笛か

いつしか夜霧につつまれて
いつしかわたしのため息で
いっぱいにおおわれて

はーばーらいとは
もうすっかりくもって
よく見えません

こうして今夜も
わたしはひとり
いとしい人のもとへは
辿り着けずじまいでした

今夜もわたしの涙は
いとしい人の指に、
辿り着けませんでした

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