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春の予感というけれど

冬になるたび
春の予感に包まれる
毎年のこと
でもその予感
叶ったためしがないんだけど、って

寒がりなきみはいつも
探し回っている
春の予感
凍り付く木枯しの中に
雪の積もった街角に

クリスマスにお正月に
バレンタインディもいいけれど
でも本当にほしいのは
ぬくもり
ほんの一欠片のぬくもりでいいから
誰か凍り付くわたしの心
あっためてくれませんか

きょろきょろ、きょろきょろ
冬になるたびきみは
世界中を見回して
何処かに春の予感が落ちていないか
探し回った

だけどほんとうは
春の予感は
きみの中に隠れている
寒さに震えた
きみの心の片隅で

きみが微笑むのを待っている
きみの微笑みだけが
春を連れて来ると知っているから

何もいいことなくても春
ただあったかいのが春
何もいらないから
春よ、来い

幸せはいつも
春の予感の中に隠れている
きみの心の中に

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