(詩)リヤカーでお引っ越し

リヤカーでお引っ越し
引っ越しなら、春がいい

ご近所に
六畳二間の家が見付かって
四畳半一間から引っ越した
リヤカーで家財道具一式
無事運び終えたら

いつも四畳半の
畳の上でひとりぼっち
膝抱え見ていたあの夢も
忘れることなく
空っぽのリヤカーに載せよう

そしてゆっくりゆっくり
歩いてゆこう
どこまでも
どこまでも歩いてゆこう


昔リヤカーで引っ越しした
引っ越しならやっぱり
春がいい
ぽかぽか陽気の春の日がいい

古びたリヤカーの荷台には
きらきらと
夢と春の陽のきらめきが
射していた

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