早朝はまだ街灯り

冬の朝は遅いから
電車の外はまだまっ暗
街の灯りも残っている

電車の窓は曇っていて
ぼんやりとまだ夢の中
もう一度見損ねた夢
見ていたい気分

でも少しずつ電車は混んできて
だから窓ガラス拭き消して
残った街の灯り眺めた

ひとつまたひとつ
消えてゆく街の灯り
なぞりながら
窓に描いた、きみの笑い顔……。

ふっとため息で消そうとした
その前に
すぐに窓ガラスは曇った
電車の外はもう、すっかり朝

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