(詩)神様になりそびれて

小枝にとまって戯れていた
雀たちのかわいい仕草なんかを
こっそりと眺めていました
わたしは夏の木陰にいました

ところがふとわたしに気付いた
雀たちは驚く間もなく
さあっとどこかへ逃げていった

恐がらないでいいのに
同じ生きものなのだから、と
言い掛ける暇もなく

もしもわたしが神様だったなら
きっと雀たちも安心して
逃げたりなどしなかったろうに

今わたしは夏の木陰にいます
神様になりそびれて、ひとり

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