マガジンのカバー画像

(詩集)きみの夢に届くまで

198
詩の数が多いので、厳選しました。っても多い?
運営しているクリエイター

#地球

(詩)きみの夢に届くまで

この夜の何処かで 今もきみが眠っているなら この夜の何処かに 今きみはひとりぼっち 寒そうに身を隠しているから 今宵も降り頻る銀河の雨の中を 宛てもなくさがしている 今もこの夜の都会の片隅 ネオンの雨にずぶ濡れに打たれながら 膝抱えさがしているのは きみの夢 幾数千万の人波に紛れながら 路上に落ちた夢の欠片掻き集め きみの笑い顔を作って 都会に零れ落ちた涙の欠片の中に きみの涙を見つけ出せば 今も夢の中で俺をさがし求める きみの姿が見えるから この夜の何処かに 今もきみが

(詩)うた

目を閉じれば 潮騒が聴こえる 目を閉じれば 山の静寂が聴こえる 目を閉じれば 風の音が聴こえる 目を閉じれば 河のせせらぎが 降りしきる 横殴りの雨の音が 降り積もる 雪たちのささやきが 目を閉じれば 花たちの笑い声が 虫たちの わんぱくないとなみが 目を閉じれば 遠い星たちから降り注ぐ 光のしずくが ぼくたちを包み込む音が聴こえる 真夜中目を閉じれば 売れないミュージシャンの歌が聴こえる 目を閉じれば 都会のざわめきが聴こえる 目を閉じれば きみの好き

(詩)星が泣く時

星も泣くだろうか この星の夜がしずかなのは この星の夜がまっ暗なのは 時としてこの惑星も ふと銀河系の果てに ひとりいってみたい、と思う 太陽系の軌道をはずれて ふと あまりにこの星の過去が美しすぎて あるいはこの星の現在が常にかなしすぎて ねえ この、宇宙の、大宇宙の どこをさがしても きっと恋の存在する星は あなた、しかいない そんな気がしませんか? そしてそれは とても素敵な、ことだと思いませんか? 地球という名前は 誰がつけたのでしょう わたしならもっ

(詩)引き潮

わたしが死んでも 誰も悲しまない生き方で 歩いてきたから 嫌われ者、憎まれっ子で いやな奴! あんなの、さっさと 死ねばいいのに、ってね おかげで 誰にも辛い思いをさせずに 済みそうだ だから 何も心配することはない だから こんな生き方も 悪くないよね 誰かを泣かせる位なら 誰かを笑わせて死にたい そんな生き方も 悪くないだろう……。 そう、地球に問いかけて見た わたしが死んだ後も ずっと生き続ける地球 ずっと 回転し続ける地球へと いつか わたしの死させ 受け入

(詩)エイリアン(ひと色展)

わたし、あなたに会いたくて 生まれてきました あなたを見つけ出すために、この星に だからあなたに会えなければ わたしはただの異星人です *イシノアサミさんのひと色展コラボに参加させて頂きました。よろしくお願いします。

(詩)水平線

ぼくが死んだら ぼくはきみの太陽になろう きみが地球で ぼくが太陽になるってことさ 今水平線の彼方へと 太陽が沈んでいくけど 暗黒の宇宙の闇の中を一巡りしたら またきみの前に帰って来るから 静かな夜明けを連れて 確かに帰って来るから 夜は愛を育む沈黙の時間 そして地球のきみは ぼくの光をいっぱいに浴びて たくさんの生命を 地上に産み落とすのさ きみの上でたくさんの生命が 今も生まれては死に 死んではまた生まれ来る ぼくが死んだら ぼくはきみの太陽になろう だからい

(詩)石

わたしは石になり この世界を見ている せわしなく動く 生きものたちは 動くものだけが 生きものだと信じている たえず 変化してゆくものだけが 進化するのだと 信じて疑わない たえず変化し たえず 滅びゆくものたちからすれば 永遠はだから ただのことば遊びに すぎないらしい そして今日も 夢をなくした少年が ため息まじりに わたしを一蹴り けれど そのおかげでわたしは 陽あたりのいい場所に 転がって 今日は一日 気持ちのいい風に吹かれ 日向ぼっこしていました そのお