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R-1グランプリ決勝 プロもアマも最高

ピン芸人の最高峰を決定する「R-1グランプリ」決勝戦にアマチュアの「どくさいスイッチ企画」さんが進出し、4位に入賞しました。プロを含む5000人以上の出場者で4位。とてつもないことです。おめでとうございます。

どくさいスイッチ企画さんは高座名「銀杏亭魚折」としてアマチュア落語大会を総なめにしており、また台本作家として数々の受賞歴があり、プロへの台本提供も行っています。その道で知らない人はいないというくらいの有名人で、しかも会社員です。フィクションではないかというくらい謎の才能に満ちた一般人の方です。

ちょっと話が別方向に飛びますが、今、私が一番推しの『バンオウ』という漫画があります。300年間将棋を指し続けてきた吸血鬼の主人公が、その圧倒的な経験を武器に現代の最強棋士たちに挑むという物語。とても面白いです。そろそろクライマックス。毎週楽しみにしています。

この『バンオウ』の主人公・月山と、どくさいスイッチ企画さんの快進撃が、見事にオーバーラップしてるんですよね私の中で。アマチュアがプロを倒していくから痛快だ、ということではありません。この両者、プロに対する敬意というものがとてつもない点で共通しているんです。

月山にとってプロ棋士たちは憧れの存在であり、負かした相手にもドキドキしながらサインを貰うようなファン目線の吸血鬼なのです。方やどくさいスイッチ企画さんも、プロの芸を愛してやまない人です。リアクションなんていちいち乙女のような純粋っぷりです。ここがすごく似ているんですよね。

こういう反応を実際に見たからここで書きますが、「アマチュアに負けるプロは恥ずかしくないのか」みたいなものがありました。断言しますが、そんなことは絶対にありません。そこにいるのは、お笑いや将棋という一つのジャンルを真剣に愛する一人でしかないのです。ならば、プロアマの垣根は無いと言っても良いのではないでしょうか。

そして私が見る限り、ナメた態度でいろんなジャンルのトップに行けた人はただの一人もいません。仕事であろうと趣味であろうと、一所懸命な天才しかそこにはたどり着けないものだと思います。最高峰の場所だからこそ、プロもアマも無い、と言えるのではないでしょうか。

あ、月山はフィクションですが、どくさいスイッチ企画さんは現実の存在ですよね。なおさらすごいわ。漫画の中であまりにも強い月山がジャーナリストに目をつけられて「クローン人間ではないか」と疑われるシーンがあるのですが、どくさいさんこそがそうなのではなかろうか?

いや、実は「会社に行く1号」「インプットする2号」「台本を書く3号」「実演する4号」という4人体制くらいのどくさいクローンがいるのでは?と思えるほどに現実離れした存在ですよね。まあ、そのあたりのことは、『ムー』などに今後載るかもしれません(知らんけど)

とにかく、どくさいスイッチ企画さん、おめでとうございます。ネタの最後に落語風のお辞儀で締めた姿には、とても感動しました。私のように落語に関わって日も経験も浅い素人にも、その心意気は伝わりました。今後もますますのご活躍を願っております。