見出し画像

大阪日帰り観劇旅行~こまつ座『頭痛肩こり樋口一葉』~

こまつ座の『頭痛肩こり樋口一葉』大阪公演千秋楽に行ってきました。以前からずっと観たいと思っていたお芝居なので、念願叶って感無量です。

会場のある上本町へ来るのも20年ぶりくらいなのですよね…。昔はここに、近鉄劇場と近鉄小劇場がありました。私が好きだったのはもっぱら小劇場の方。地下にあったんですよね近鉄小劇場。

今は…スーパーマーケットになっています。何の面影もありません。そりゃそうなんですけどね。でも、風のように消えてしまう演劇とは違って、劇場そのものはずっと同じようにそこにあってくれると思いがちじゃないですか。ちょっと寂しいですよね。仕方ないですけどね。

でもそんな上本町駅前の再開発で誕生したのが新歌舞伎座。近鉄百貨店ビルの六階にある、素晴らしく綺麗で大きな劇場です。元々は難波にあったそうですが、建て替えの際、こちらの近鉄劇場跡地に誘致したそうです。形式や形態は変わっても、演劇の力になろうという「旦那」の心意気なんですかね。素晴らしいですね。

で、お芝居なのですが、本当に良かったです。私、井上ひさしさんの戯曲作品は、好きなものとそうでないものの差が結構ありまして、受け付けないものは正直、受け付けないのですね。ちょっと、テーマが重い。ぶっちゃけ、説教臭いところがどのお芝居にもあります。

しかし今回の『頭痛肩こり樋口一葉』は、説教臭さが無いとは言いませんが、それよりも演劇的な面白さが常に先へ先へと走っているので、全く気にならなくて面白いのですよ。知ってる井上ひさしさんの作品の中では、これが一番好きです。

筋を話してしまうとどこかでの出会いの魅力が減ってしまうので、さわりだけ紹介すると、幽霊が出てくるお話なのですよね。この幽霊が、とってもチャーミングで、かつ巧妙な演劇的仕掛けの要素になっています。またいずれ再演されると思うので、未見の方は是非お勧めです。

女優さんだけ六人のお芝居ですが、皆さんとっても美しくて、2時間半近い上演時間が全く苦になりませんでした。日帰りのやや強行軍でしたが、観に行って良かったです。

観劇後はちょうど実施されていたサテライト繁昌亭へ。大誕生祭の一環として、商店街にPR出店されてるのですね。こちらで月亭遊方師匠とお会いできました!

ガチャを回してもらい、このnoteでもお馴染み、私の大好きな『上方落語の出囃子』を引き当てていただきました。米朝師匠の出囃子は持っているのでダブりなんですが、2つも米朝師匠を引いたというのは逆に光栄の極み。大事にさせていただきます。遊方師匠、ありがとうございました!

その後は早めの夕飯に南森町の焼肉店「万両」さんへ。

人気店らしく、16時の開店からどしどしと予約のお客さんが現れます。大人気です。入れて良かった~。そして期待通り美味しかったです。良い気分で、新幹線に乗って四国へ帰りました。

…私はインプットが苦手な人間です。本を買っても読まない、DVDを買っても観ない、だらだらと、その場その場の快楽(スマホゲーだの競馬予想だの)に流れてしまうような性質です。その唯一の解決法が、

「生鑑賞を増やす」ことなのですよね。

やっぱり、生は良いです。

いや、こっちの生も良かったですが!

生の演劇・演芸は日常と切り離されていて、体験するたびに、嗚呼、生きてて良かったなあ…と感じることが多々あります。

田舎住みだとどうしても機会が限られるのですが、これからも、「迷ったら、行く!」を肝に銘じて、生鑑賞を増やそうと思いました。

とりとめのない文章ですみません。新歌舞伎座、また行きます!