精神的DVを受けていたときの話
今月の9日と10日にNHKで放送していた
「もしかして、精神的DV?」という特集の番組。
偶然テレビをつけたときにやっていたので
真剣に見入ってしまった。
でも私が見たのは9日だけだったようで…
次はいつやるのかな?と待ってたら
次の日に放送していたらしい。見逃した。
DVについて、興味がある。
それは今の仕事で、
「DV夫からシェルターに逃げた話」という連載の
作画を担当しているからということもある。
17巻まで発売中ですが(1巻30ページくらいです)まだまだ話は続きます。
(Vコミのサイトなら無料で読めます。その他
LINEマンガ、めちゃコミなどなどの電子書籍配信サイトでも一部無料で読めます!)
このお話は実話で、実際にDVからシェルターに逃げた
方の体験談をもとに漫画にしています。
出会いから妊娠、結婚、出産、そしてじわじわとはじまる
暴力、そして逃げたあとの生活のこと、シェルターを出たあとのこと、
離婚調停のこと、などまだまだ続く長い連載です。
(私も結末はわからない)
DV被害を受けている人が駆け込む「シェルター」も
噂には聞くけど、どうやって入るのか、入ってからどうなるのか、
あと離婚についての話し合いはどうするのか、
などなど、私は全く知らないことばかりなので
実際に体験した方の原作があることは
ありがたいです。
私は原作をそのまま描いているだけなのですが、
主人公を応援するような気持ちで描いています。
DVを受けたらシェルターに逃げたらいいよ!
という単純な問題ではないので、
いろいろ考えさせられる内容だと思います。
女性も男性も年齢も問わずいろんな人に
読んでほしい!
暴力シーンなどは描くのも見るのも精神的にキツいので、
コミックエッセイ風のかわいい絵柄にしてあります。
(でもリアルな迫力が出るようにがんばって描いてます)
長々と宣伝をしてしまったけど…本題はここから。
精神的DVについて。
NHKの番組の特集は、身体的暴力ではなく、
精神的、とのことでした。
DV防止法が今年5月に改正されて精神的暴力も
加わることになった。
精神的暴力、とは
つまりモラハラ。
言葉、行為、態度によって
嫌がらせをするということ。
暴言やイヤミだけではなく、
無視も含まれるのだそうだ。
なんだ…やっぱり…。
と、20年前のことを思い出してしまった。
私も、そうだった。
今思うとあれは精神的DVを受けてたんだよなぁ。と
しみじみ?思ってしまう。
私は当時付き合っていた人と一緒に暮らしていた。
その人からある一定期間、無視されることがよくあった。
私の存在はないかのように扱われる。
それ(無視)が始まったら、
1週間か2週間、長いときは半年くらい
無視され続けることになる。
理由はわからないけど、
当時の私は、
「私がなにか気にくわないことをしたんだな」と
思って、耐えるしかなかった。
その時期が終わるとまた普通に会話できるように
なるんだけど、だんだんそのサイクルが
短くなってくる。
…というDVを受けていました!私は!
もう時効かな?とも思うけど今思い出しても腹立つ!
と、いうか寒気がします。
よくあんな生活に耐えてたな、私…。
NHKの特集の中でも、私と同じことをされていた
女性も紹介されていて、(長期間無視される)
「ああ~、他にも結構たくさんいるんだなぁ」と
思った。
精神的DVは気づきにくい。
「自分が悪いんだろうな」と
思ってしまうし、
相手の機嫌がなおったらホッとしてしまう。
そしてまた元通り…。
緩やかに洗脳されてしまいます。
誰にも相談できない。
友人に相談したとしても
「相手に理由聞いたら?」くらいしか
言われないし、「はやく籍入れたら?」とも言われるし(恐ろしい!)
親に言っても「あんたが悪い」としか
言われないだろうし。
当時私が通っていたカウンセリングの学校でも
「無視される?はぁ?」という感じで
笑われただけだったし。
すごく悩んでいたけど、
私の人生なんてどうせこんなもんだよな、
と諦めたりもして。
一人でいるよりマシだよな、とか思ってしまったり。
それで無視の期間が終わっても
私に対する言葉がひどくなってきた。
いちいちイヤミを言ってくるし
いちいちバカにするような口ぶりになってきた。
で、言い返すと、一方的に暴言。
(こうなるともう直りませんね)
たぶん私が我慢ばかりするから
調子のるようになったんだと思う。
そしてとうとう…
私はキレました(笑)
ブチギレしてからその後、半年くらいかかったけど、
トントン拍子でうまいこと別れることができました(笑)
精神的DVの渦中にいると、すべて
諦めの境地に陥ってしまうので、
あの時別れることができて、
自分を取り戻すことができて、
本当によかったと思ってる。
精神的DVについては、
身体的DVよりも難しい点がたくさんあると思う。
「相手が悪い」とか「私は悪くないのに」とか
「相手がこう言った」とかって
堂々巡りしてしまいがちなんだけど、
一番大事なのは
自分はどういう生活がしたいか、
ということだと私は思う。
このまま相手にバカにされながら我慢して暮らしていくのか?
そんなのは絶対イヤだ!
私は一人で暮らしたい、と思った。
そしてもし彼が出ていってくれたら、
この部屋を好きなように模様替えををしよう、と
想像することから始めた。
そして仕事(漫画)を本気で頑張ることに決めた。
それまでも仕事は好きだったし
私の生き甲斐でもあったけど、いろいろ理由をつけて
できる範囲のことしかしていなかった。
たとえば、私が家で漫画を描いていると
彼が不機嫌になるので、留守の間にこそこそ
描いていたりとか。
でも、死ぬ気でやると決めた。堂々とやろうと決めた。
「相手が悪かった」
だけだと、じゃあ、相手を変えればいいの?
て話になるけど、それは違うと思う。
相手が優しければ幸せなのだろうか?
相手が満足させてくれたらそれでよしなのだろうか?
それだといつまでも他人に幸せか不幸かを
決めてもらう立場になってしまう。
私は相手の顔色を伺う生活は
もうイヤ!と思った。
自分の幸せは自分で決める!と
決めた。
毎日ご機嫌な気持ちで目覚めたいし、
仕事をもっと頑張りたいし、
部屋のインテリアも小物もすべて
自分の好きなものを選びたい!
自分で自分の人生を決めたい!
…と、思ったのです。
もともと他人と暮らすのが
向いてなかったんだろうな~とも思います。
モラハラ野郎と暮らしていたのは
5年間ほどでした。
辛い時期だったけど、
いい人生勉強になったかな~とも思います。
確かに思い出しても腹立つけど、
もう別に恨んでいるわけではありません。
どこかで幸せに暮らしていたらいいんじゃないかな、
と、思います。(私とはもう関係ないし)
やっぱり今思うと情けないのは、
彼のモラハラ行為よりも、自分自身のことでした。
彼氏がいたら幸せ(そうに見える)んじゃないかなー、とか
仕事(漫画)よりも幸せなことがあるんじゃないのかなー、とか
すべてを逃げる口実に使っていたのだと思います。
もちろん相手にも原因があるけど、
私にも原因がある。
相手は無視したり暴言はいたりする男だったけど、
もしかしたら、そういう部分もまるごと受け止めてヨシヨシとしてくれて
変えていってあげられるような女性となら
うまいこといってたんじゃないかな?
その女性は「私」ではなかった、というだけ。
「妻がメンエス嬢になりました。」に登場させた
モラハラ夫のトオルは、妻よしえのこと
本当に好きだったけど、(幻想だけど)
私の受けていたモラハラの場合、
彼はもうとっくに私のことなんて好きじゃなかった。
(私も、然り)
とっくにお互いの愛情は終わっていたんですよね(笑)
でも同棲してしまうと、別れるのが面倒になってしまって
お互いピリピリしていた、ということもあります。
なので、男からの執着が激しい場合、
(嫉妬が激しいとか、スマホをチェックされるとか)
私なんかよりも大きな問題となると
思うので、
DVの相談ができるところに
相談してほしいです!早く!
サポートしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。