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「自分らしさ」とは?自分にしか描けない物語を作りたい!そのために必要不可欠なものとは…

これから物語を作ってみたいという方、マンガを描いてみたいという方に向けて、どなたでも簡単に物語作りにチャレンジできる記事を書いております。よろしければ参考にしてください。




テーマって何だ?

昔、マンガ教室で漫画の描き方を教えているとき、時々、生徒さんから質問されることがありました。
「テーマって必要なんですか?」と。

私は「ええ、そうですね~…。あった方がいい…と思いますけど?」と控え目に答えていたのですが、本音は
「必要に決まってるやろーがっ(怒)」でした。

だってテーマの無い物語なんて、読みたいですか?
いえ、それよりも、描きたいですか?
テーマが無いのなら、なぜその話を描きたいと思ったのでしょう?
何のために描くのでしょう?
テーマが無いのに最後まで描き切ることができるのですか?

と、少々「イラッ」ときていたのですが…。

そういえば、私も高校生のときに別マに投稿するとき、
投稿シートの中に「この作品のテーマは」という質問があって、記入しなければいけなくて、
「テーマ」なんてよくわからなかったから、その作品のあらすじを書いてしまったことが一度…いえ、二度、三度ありました。
まだ「とにかくマンガを描いてみたい!」という時にはテーマなんて思いつかないし、考えてませんでした。
(過去にイラッとしてしまった生徒さん、すみませんでした…)


よく考えてみると、
はじめて漫画を描く人にとっては「この作品のテーマは?」と
聞かれても難しいかもしれません。

ひとことで「この作品のテーマは?」ときくと
「真実の愛」だとか「家族は大事」だとか「友情」だとか、「命の尊さ」だとか、「平和の大切さ」だとか、
普遍的な「当然いいもの」を選ばなければいけないっぽい感じがします。

でもそういう漠然とした「当然いいもの」をテーマに選んで描くと失敗すると思います。
(いえ、失敗しても別にいいんですけど…)

しかし…

大抵の漫画の入門書には「まずテーマを決める」なんて書いてあります。
でもその、「まず決める」というのって危険だと思います。

なぜかと言うと、やっぱりどうしても、先ほどあげた「真実の愛」だとか「平和」だとか
気取った「当然いいこと」を選んでしまいがちだからです。

そういう「当然いいこと」を描こうとするとなぜ失敗しがちなのかと言うと、「自分らしさ」というものが表現できなくなるからです。

以前どっかで見たものしか思い浮かばなくなるのです。
物語もおもしろく転がりません。
ラストにどうなるかがすぐにバレます。
ただ説教臭いだけの話になってしまいます。
感動しません。
そして自分でも途中で飽きてしまって最後まで描けません。

誰かの心をグっとつかむような、心が揺さぶられるような、
描いていてワクワクするような
物語というものは、
自分らしさが溢れた物語です。



「テーマ」とは、自分が何のためにこの物語を描くのか、
という証と道しるべです。

マンガでも小説でも、一つの物語を完結させるには
とても時間がかかります。
時間をかけて、面倒な作業を繰り返し、頭を悩ませ
作品を仕上げるのですから、最後まで描き切るためには
「何のために描くか」がモチベーションになります。

「真実の愛」だとか「平和」だとか「命の尊さ」でも
もちろんいいのですが、
もう、そんなのわかってる…というか、
当たり前のことです。もうすでに誰かが書いてます。
なので、もうすでに誰かが書いたような
使い古された物語をただなぞるだけ、になってしまいます。

私の思う創作というものとは、
そうではなく、

これは私にしか描けないだろう
というテーマで作品を描くこと。
それが創作の楽しさだと、
私は思うのです。

それはプロ、アマ、ベテラン、新人、素人
まったく関係なく平等に与えらえる権利です。
上手いとか下手とか慣れてるとか慣れてないとか
関係ありません。

プロでベテランだから感動させることができる…
というわけではありません。
誰だって自分だけの意見や考えをもっているはずです。
そして誰でも自由に「自分らしさ」を表現することができるはずです。

たとえばコミックエッセイなら、どんな職業であっても
何か他の人が知らない世界があるはずだし、
仕事をしていなくても、家族の話やペットの話など
自分にしか描けない話が必ずあります。

でもコミックエッセイではなく、フィクションであっても
「自分らしさ」を追求することができます。

コミックエッセイも素晴らしいけれど、
私はフィクションの中…完全なる創作の中でこそ本当の気持ちが描けると思っています。

テーマを見つける練習

そこで、私は誰でも簡単に楽しみながら
自分らしいテーマを見つける練習方法を編み出しました!
(…いつもオオゲサですみません…)

プロット(あらすじ)だけを作る練習ですので
1日、数時間でできます。


好きな映画を使ってプロットを学ぶ方法

その私が編み出した方法というのは、
今までに観た映画の中で、好きで好きでたまらなくて
何度も繰り返し観た!というものを1本選んで、
その映画を細かく分析するという方法です。

その映画は、「好きで好きでたまらない」ということがポイントです。
(マンガよりも映画がいいと思います)

「好き」ということは、必ずその中に、自分自身の心が
引っかかった部分があるということです。
同じ作品を観ても、みんな好きなシーンが違っていたりします。
感想も、みんなが同じということはあまりありません。

どこが好きだったか、なぜ好きなのか、
そのシーンを見るとどういう気持ちになるのか
と分析し追求していくことで
自分が何を描きたいかがわかってくると思うのです。


ノートとペンを用意して、
その映画の
タイトル
キャラクター
簡単なプロット(誰が何をする話か…という程度)
印象に残ったシーン 

を書き出してみてください。

そしてその後に、大事なのがテーマです。

そのテーマは、別にその映画を撮った監督さんの意図は
この際関係なく、
自分がどう感じたのか、がポイントです。

たとえば、私は「バック テゥー ザ フューチャー」が大好きなのですが
あのお話も、観る人によって感じるものが違うと思うのです。

タイムスリップして自分の両親に会うことろが
見どころだし、おもしろいところなのですが、

途中で何度もこれでもか!というほど邪魔が入ったり
ピンチにあったりするのに、
主人公のマーティーは絶対に「あきらめない」ということろが
私は好きです。

同じタイムスリップものでも「仁」なら、
諦めて…というわけではないけど、タイムスリップしてしまった
時代に骨を埋めて自分の使命を果たそう…と
決意した…ような気がします。(あまりはっきり覚えてなくてすみません)

まあ映画だし…と言ってしまうとそれまでなのですが、
そうはいっても、あのマーティーの前へ前へ進む執着のような行動は
私にとって、何度観ても胸を熱くさせるものなのです。


そんなふうに、
好きな映画から自分が感じとったテーマを書き出してみてほしいのです。


方法とお手本を書いたテキストがありますので
よろしければ参考にしてください。
(20年以上前に描いたものですので、いろいろと古いです)


画像1

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画像3


そして…
ここからが本題です。

自分が書き出した「テーマ」だけをよく見てみてください。

その「テーマ」こそが、
自分が描きたいという、自分らしさあふれるテーマ
なのです。

できれば舞台背景は、現在の自分に近いものにして
「自分ならこのテーマで何が描けるか」を
考えてみてください。

ここではじめて「自分なら」
このテーマで、
こういうキャラクターにして…
こういう事件が起こって…
というようにといろいろと創作が広がっていくと思います。

「自分ならこうする」
いう気持ちこそが創作の第一歩なのだと私は信じています。


休日のおうち時間に、マンガを読むのに飽きたら、
ぜひ、創作に挑戦してみてください!




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