withoutU ~AZKiと開拓者の歩んできた軌跡を照らすもの


(本文約1700字)

withoutUのnoteはリリースの時に一度書き殴ってはいるが、1ヶ月半が経って再び纏めてみた。
ここにはデビューから1年とちょっと。彼女たちが観てきたもの、得てきたもののすべてが込められている。それから、これはAZKiというアーティスト自体にも言えることかもしれないが、「AZKiという存在」とその「名前に込められた意味」、「」と「」、「生きるということ」といったものを強く感じさせられるアルバムでもあると思う。

私は普段音楽というものを耳から頭の中に染み渡ってくるメロディ、音の重なり方だとか、音楽の形だとかで「なんとなくこの音は好きだ」みたいな感じで聞いているので、どちらかというと歌詞に目をやらないタイプの人種だと思う。withoutUはもちろん、音楽としての完成度も非常に高い。様々な作曲者、トラックメーカーが携わっているのだ。当然これだけのバリエーションを持ってすればどれか1曲は刺さる楽曲があってもおかしくはない。ただ、それだけではない。このアルバムは歌詞を聴き込むことでもう一歩深みのある世界を観せてくれる。

AZKi」が「あずき」や「アズキ」でなく「AZKi」という名を名乗っている理由に「A」と「Z」で「始まり」から「終わり」という意味も込められている。これは表題曲の「withoutU」の歌詞の中でも象徴的な記号として用いられているものだ。

あらゆる事象に始まりがあるように、終わりもまたある。我々オタクたちは常に何かを推しているが、その終わりからは目を背けようとすることが多い。AZKiという名前、そしてAZKiチームの振る舞いは敢えてその終わりをも意識させてくる。それはマイナスな事かもしれないが決してそうではないと思う。
終わりが意識させられるからこそ、今の一瞬がより輝いてみえるのだろう。きっと。


「正解はない―それでもここで生きていくと決めたんだ」

これは「ちいさな心が決めたこと」の歌詞の一節を抜き出したものだ。
様々な楽曲を繰り出し、しっとりと歌い上げるAZKiは完全無欠なアーティストなのか?
答えはきっとNoだ。というより最初から完璧な人間なんてそうは居ないだろう。話が逸れてしまうかもしれないが、私が歌を歌うバーチャルアーティストの中でAZKi以外に特に推しているホロライブ所属のときのそらや、まりなす(仮)の奏天まひろなどのアーティストもまた、「不完全な自分」に対する葛藤を抱えながら、それでも自分の信じるものを目指して前に進んでいる。AZKiもまたそうなのだろう。「ちいさな心が決めたこと」からはそういった決意を感じさせられる。

withoutUはそんなAZKiの悩みや葛藤、可愛らしさ、今を見つめる視線、そしてその先を進む決意、当たり前を大切にする姿。そういった、AZKiの「生きる姿」が詰め込まれている一枚だ。
ぜひ、彼女の駆け抜ける姿を心に焼き付けて欲しい。そして彼女の旅路がゴールを迎えた時、ぼくらはとびきりの声で祝福したい。

フロンティアローカス

Remixを除けばアルバムを締めくくる楽曲になる「フロンティアローカス」。この言葉の意味は文字通り「開拓(者)の軌跡」だろう。
この曲の持つ意味、そしてこのアルバムを締めくくる意味はここに文字で書き記すには深すぎるように感じる。
「ここまでのAZKiと開拓者」「今ここにいるAZKiと開拓者」「この先のAZKiと開拓者」が描かれているのだろう。きっと、今この曲を聴いて感じる思いと、1年後、5年後、10年後に聴いて感じる思いではきっと違う。「軌跡」が表すように、この曲はあらゆる時点にいるAZKiと開拓者に向けて贈られた曲なのだろう。
正解も不正解も、偽物も本物も、今ここが自分たちの世界であって、しかもそれはこの先も長く続く軌跡の一部でしかない。そしてその辿り着く先もわからない。でも振り返ってみれば確かにここまで歩んできた道はある。そんな当たり前の事だけど、忘れてしまいそうな大切な事に気付かせてくれる一曲だ。

アルバムの歌詞カードは最後にこう締めくくられている。

「いつも応援してくれる開拓者と、まだ見ぬ未来に出会う開拓者」

過去も、今も、未来も。AZKiと開拓者が開拓していく一筋の道の中の節目にあって、その前も先も全てを見通す灯台のような存在。それが「withoutU」なのだろう。…いや、それが今の自分にとっての「withoutU」なのだ。

終わりに

ここまで読んで頂いてありがとうございます。12月29日。この日にAZKiの4thライブとなるAZ輪廻が池袋harevutaiにて開催されます。このページの下の方にも記載しましたがREALITYで無料配信もされるのでぜひご覧ください!そして、この激動するVtuberシーンの中において、配信で、現場で一緒にAZKiのライブを楽しんでくれる他の開拓者のみなさんもまたwithoutUです。


AZKiとは

「AZKi(あずき)」はカバー株式会社の運営するバーチャルタレント事務所「ホロライブ」に所属するバーチャルアーティスト・バーチャルYouTuber(以下Vtuber)である。
2018年11月より活動を開始し、YouTubeにおいては「歌ってみた」や自身のオリジナル楽曲動画の投稿、生放送や他のアーティスト、Vtuberとのコラボ企画などの活動をしている。
また、デビュー直後に「オリジナル楽曲8ヶ月連続リリース」企画を打ち出し、2019年8月ですべての楽曲が配信済みである。
バーチャルの身でありながらAR・VR技術を活用した現実世界でのライブイベントも精力的に参加・開催して(今回の「レペゼンエンタス」がAZKi単独ライブの3回目である)おり、バーチャル・リアル問わずアーティストやVtuberをゲストに招きトークを行う「AZラジ(あずらじ)」(12月25日で最終回)など様々な新しい取り組みも行っている。
11月12日に自身初となる全国流通1stフルアルバム「without U」を発売した。またこのnoteが公開される12月29日には池袋harevutaiにて4thライブ「REPEAT THiS LiFE WiTH U (AZ輪廻)」が開催される。チケットの一般販売は11月15日より開始され、最も安価なチケットは1,000円となっており話題を呼んだ。また同ライブはREALITYにて無料配信もされることが決定している。興味のある方はページ下部にあるAZKiのTwitterをチェックしてほしい。


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