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24歳です。24という数。区切りを感じさせます。1日って24時間だし。干支は12年周期だし。時の流れは早い。早すぎる!

学部時代、英語と日本語を勉強していた僕は、周りから見ればハズレ者で、建築だけを真摯に勉強している人から見ると、バカにする対象にありました。親しい友達に「そんなに本を読んで小説家にでもなる気なのか?」と言われてしまったこともあります。父はあれだけ僕に「やりたいことを見つけてそれを全力でやりなさい」と言っていたけれど、いざ息子が書斎に籠って本ばかり読んでいると、「〇〇歳にもなって、あいつは書斎(2階)で何をしているんだ」と1階のリビングにて、母に(2階にいる僕に聞こえるように)小言を言っていることもありました。

家の書斎に籠って本と向き合った時間があります。それが今の僕の支えです。今まで生きてきた人がどのように思考を巡らせて、学問に向き合ってきたのかについてしっかりと向き合おうと考えました。それを踏み台にして乗り越えなければならないと考えるようになりました。「僕は今、これまでにない世界を創っている」と思って書いた小説が、過去に存在していたなんて後からわかったらあまりに悲しすぎます。これまで生きてきた人たちが残してくれたものを意識しながら、現在を生きる者として今しかできないことを将来の世代に残すべきですよね。それが今生きることの責任だと勝手に思っています。(夏目漱石が言文一致を試みたように。)

大人と呼ばれる年齢になった今、子供と親の関係はどのようなものが理想なのかな、とよく考えます。

(個人的には)親が息子の将来を楽しみにしているような人生を歩みたいと思っています。この瞬間に大金持ちになって両親を楽に、なんて現実離れしているし、僕が何か天才的な才能を発揮して、世界を震撼させるような発明ができるとも思えない。だけれど、本当にやりたいことだけで人生を歩むことはできます。(それは両親のサポートありきでしたが)将来的にうまくいくかわからないし、全くうまくいかないかもしれない。それでも、自分の人生にワクワクしているし、両親もその姿を見てワクワクしてくれたら嬉しいなと思っています。それが僕にできる最大限の親孝行だと思ってます。

小説ってすごく時間がかかる行為なんです。書くまでもすごく時間がかかるし、評価するまでもすごく時間がかかる。小説を書く前は、芥川賞とか直木賞の受賞者は、ついこの前描いた小説が評価されて表彰式に立っていると思っていたけれど、全然違うんですね。全然違う。時間がものすごくかかるんです。時代と逆行しているメディアなんですよね。それが良さなのですが。

ムサビ出身の作家さんはたくさんいます。村上龍やみうらじゅんなど(敬称略)。

ロイヤルカレッジオブアート出身の日本人の作家はおそらくまだいないと思います。僕は、その1人目になりたいと思ってます。今やっている研究も続けていきたいと思ってます。建築と小説が交差するような場所で生きることができるんじゃないかと思って、日々生きてきましたし、これからもそうやって生きていきたいです。自分が正しいと思う日々の行動の連続で、人生を構成したい。

僕はトーマスへザウィックという建築家に憧れて世界一の大学院に行きたいと思いました。自分を救ってくれた作家達に憧れて小説を書く人になることに憧れました。

面と向かって小説を書く人になりたいんです!というのは怖くて、「お前その夢を叶えるために何かやってるのか」と周りから言われるのは目に見えました。周りに否定的なことを言われた時に押し返す強度が自分にはまだないと思って、隠してきました。

とりあえず同世代の中で一番本を読んでいる人になろうと思いました。同世代で一番小説家になることについて考えている人になろうと思いました。本を読むのも小説や自分の専門の建築の本だけではなく、哲学も物理学も化学も社会学も医学も興味のある本は片っ端から読みました。(興味のない本も読みました。難しすぎて、今僕はこの本を果たして読んでいるのか、それとも本を掴んでいるだけなのではないか、字面を追っているだけなのではないかと思うこともたくさんありました。バカなもんで。)

僕も早くそちら側に行きたい。

僕の周りは光っていて、
僕も早くそちら側に行きたい。

音楽活動、広告デザイン、インテリアデザイン、建築を実際に建てた友人もいます。同じ研究室だった、Iさん、Oさん。少しアクセル踏みすぎです。前に進みすぎて背中が見えなくなってしまいそうです。休むことも大切だと思います。休んでください。

今の時代に必要だと思える小説を書けています。今を生きる者としての小説を書いています。流行や目に見えない何かに流されるのではなく、本当に自分が心から信じているものに沿って書くことができています。この瞬間を最大風速で駆け抜けたい!

研究も制作も個人の活動も評価されなかったり、大きな賞をもらっていないことからくる劣等感ではなく、自分の生み出すもののヘボさからくる劣等感がすごくあります。自分がつまらない人間のまま終わってしまうのが本当に怖い。

僕は頭が良くありません。思考の深さも僕より、遥に深いなという友人がたくさんいます。僕なんかより、この人が書いた小説を読んでみたいという友人もたくさんいます。それでも僕は、小説を書きたい。

もし、小説が刊行されなかったらそれはおそらく、僕の怠惰のせいなので、怒ってください。

卒業制作、頑張る💪

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