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心地よい休日考_博論日記(2024/03/10)

学生生活の終わりまで、あと21日。

先週はコトン、と調子を崩してしまった。noteはおろか「コーヒーを淹れる」「お味噌汁を作る」「お風呂に入る」といった毎日の骨組みを組むこともできなかった。
今日ようやく3月に入って初の、コーヒーのハンドドリップとお味噌汁作り(昨晩作ったお鍋の残りに味噌を溶いただけだが)をすることができた。

就職先が決まり送別会も終わって、大きな不安は取り除かれたはずなのに、気づいたら電池が切れたように寝込んでしまった。

来月から研究室補佐員として勤務するが、毎日コンスタントに出勤できるのだろうか。こう寝込んだ後だと特に不安は強まるばかりだが、こればっかりはもうやってみるしかない。
業務には事務作業の他にマウスの世話も含まれていて、人間以外の生き物のリズムが職場内にあることを楽しみにしている(おそらく人間と人間以外の生き物の関係性を考える上でも、とても勉強になると思う)。


ということで、金曜日にようやく復活して今日で3日目。本来ならば、一刻も早く論文修正作業に復帰する必要がある。百も承知である。
なのだが、ここまで休んでしまったのなら「もういっそのこと」という考え方もできるかもしれない。
実は、先月末に友人から「忙しいことは知っているけど、この映画はオススメだからタイミングが合えばぜひ見に行ってみて」と連絡があった。今のこの状況は「もういっそのこと、その映画を観に行くべし」ということではないかと考え、今日は映画館へ行くことにした。

「夜明けのすべて」というその映画は、MOVIX京都で13時25分〜上映するとのことだった。友人は内容を一切説明しなかったので、この上映時間を調べる過程で得た「松村北斗と上白石萌音のW主演作品」であるという情報以外、まったく内容を理解していない。まあそれもよいだろう。

朝バイトは9時に終わる。それから上映時間までどうやって過ごそうか。日曜日にふらっと一人で映画に行くなんて、THE 休日やなあ。
そのようなことを考えながらスーパーの棚に黙々と品物を並べていて、ハタと「よし! 今日は私の思う"心地よい休日の過ごし方"を探してみよう」と思い立った。

これまで院生生活の常で、土日祝日などの「休日」の区切りはあってなしの如しだったし、寝込むことが多い分、活動できる期間はいつもどこか焦っていて、自分の余暇を主題に置いた一日を組み立てることがほぼなかったような気がする。

私にとって心地よい休日ってどんなだろう。

まず散歩したい。それから、ちょっと歩き疲れたら小さな喫茶店でモーニングセットを食べるのとかいいな。おいしいコーヒーを飲んで、カバンの中身を整理して、手帳をつけてnoteを書いて、また歩き出して映画館に行って、映画の後は電源の確保できるカフェかマクドで映画の感想などに思いをめぐらせつつメールチェックとかの軽いパソコン作業をして、夕方には帰宅してお風呂に入って、母と食事をし、早めに寝る。
そして翌日、早起きできたなら。

おお! 想像するだに心地よい休日である。


というわけで、バイト後、いそいそとカメラを首にかけてとりあえず東に歩き出した。
一時間ちょっと散歩して、今、六波羅蜜寺そばのカフェに落ち着いている。

今日のnoteは道中撮った写真を紹介する、お散歩日記としたい。

          *

今日シャッターを切った1枚目。
ナチュラルテイストのお洋服屋さんにポップな小物が並んでいるのに気がついた。

なんだろう、と近づくと北陸製菓株式会社の「ビーバー」シリーズだった。

ビーバー好きの後輩のバレンタインにカレー味とチョコ味を買って以来、大注目していたのだが、こんなに種類が揃っているのは初めて見た。なぜ洋服店に並んでいるのか。カニビーバー、食べてみたい。

さて、どの喫茶店を目指すか。なんとなく、スマホで調べて訪ねるという形をとりたくない。
行列ができているだろうなあと予想しつつも、まずはスマート珈琲店を覗いてみることにした。

寺町三条で三嶋亭の横を通り過ぎる。

「博論書けたら母と三嶋亭ですき焼きを食べるか」などと突発的に思いつく。母も私も三嶋亭に足を踏み入れたことはない。なにせ高級老舗すき焼き店である。どんなお味なのか、どんなおもてなしなのか。ぐふっと夢想した。

スマート珈琲店は行列。やっぱりそうだよね、と頷きつつなんとなく二条まで北上し、「そうだ、以前のお散歩で見つけた仁王門のコーヒー屋さんに行ってみようか」と東に向かうことにした。鴨川を渡ることにする。

今日は晴れ。雪の舞った昨日よりはあたたかいような気がする。
ぽてぽて歩いて、目指すコーヒー屋さんにたどり着いたのだが、なんとなーく入りづらく、また今度と、古川町商店街に向かうことにした。確かそこにも喫茶店があったはず。

しかし、残念ながらお店がどこかわからず通り過ぎてしまった。商店街にあるはずなので、シンプルに開いていなかったのか移転したのか。まあいっかと、今度は祇園会館裏のコロラドに向かう。
お店を覗いてみると、11:00から開店とのこと。そうかー、むむむ。期待薄だけど祇園のどこか路地奥に地元のおっちゃんおばちゃんが朝集まるような喫茶店がないかいねと、料理屋やスナックなどの賑やかな看板溢れる小道をじぐざぐ進んだけれど、街はとても静かだった。

花見小路まで出てしまったので、いっそのこと六波羅まで突っ切るか、確か入ってみたいなと思ったカフェがあったはず、と目的地を再設定する。観光客の波にのり、馬券を買いに来た人々の雑踏をすり抜け、建仁寺の横をてくてく歩いた。

山茱萸?

六波羅まで行くなら松原通りまで南下しなくては。
うねうねと歩いていると、心あたりの看板が見えてきた。六波羅(六原)エリアだ!

ここまで辿り着いたことに気を良くして、久しぶりに六波羅蜜寺を拝観することにする。

靴を脱いで拝殿に正座し、手を合わせた。


そしていそいそと、六波羅蜜寺の目と鼻の先にあるお目当てのカフェ、SAGAN rokuharaに入り、マフィンセット(ほうじ茶とベリーのマフィンとコーヒー:594円)で一息ついた。取手のない焼き物にたっぷり熱いコーヒーが入っていて、両手で包むととても温まった。

追記(映画終わりのマクドにて):
カフェを出た後、映画館を目指して松原橋を渡って寺町通りへ入る。
とってもカラフルな仏具屋さんの角で信号待ちをしていて、ふっと何の気なしにショーウィンドウを覗き込んだら、思わぬ謎がひとつ解けた。

お地蔵さんの前掛や帽子はこういうお店で買えるのか!
なんだか満足して古書店の三密堂書店にも立ち寄る。映画までの時間調整をすることにした。

店内をゆっくり二回りし、源湯のイベント案内を見つけてほっこりした。北野白梅町方面にある銭湯・源湯にはまだ一度しか行ったことがないが、とても気に入っていて、また訪れたい。

150円で森見登美彦『宵山万華鏡』の文庫本を買い、人混みに紛れ、新京極のMOVIX京都へたどり着いた。

映画の感想は、まだ観終わってから時間がたっておらず、ふわふわと言葉が舞っている状態なので、時間を置いてから書けたらいいなと思う。
一言でいうと、とてもよかった。今見れてよかった。

・ふわふわ状態のメモ
病気と付き合う中で、何度も何度もないがしろにしようとし、もしくは逃げおおせようとし、その都度「ああ、どうしようもなく"そう"なのだ」と思い知らされてきた確かなこと。
生きていくのがつらくても、死なぬ限り、朝は必ず来る。
地球は傾きながらくるくると回り、さらに太陽の周りにぐるりと軌道を描いてゆく。
朝は来る。夜も来る。
そして、朝は必ず来る。

<To Do>
・投稿論文2:修正(3月31日〆切)
・投稿論文1:修正提出。再査読結果待ち
・システマティック・レビュー:二次チェック中
・博論本文:
 5月(予備審査委員会立ち上げ願い)
  7月予備審査?
  9月口頭試問?

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